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〈取材ノート〉「こんな所」に支部会館

2020年02月14日 15:48 コラム

取材ノート2月初旬。忍者の里として有名な三重県伊賀市で同胞らによる新年会が行われた。

会場は05年に「伊賀コリアン会館」としてリニューアルされた総聯伊賀支部会館。新年会は伊賀市在住の同胞らをはじめ朝・日の多くの市民らで大いににぎわった。

「こんな所にも支部があるし、支部会館があるんだよ」。伊賀同胞が半ば自嘲気味に口にしたであろうその言葉に考えを巡らせる。

伊賀同胞らは朝鮮学校が遠く、同胞らも多くない困難な状況でも、同胞社会の灯を消すまいと前身である上野支部の頃から数十年以上にわたり同胞新年会を行ってきた。「こんな所」の同胞社会を守るために同胞らはどんな思いで新年会を開いてきたのだろう。

同胞社会に「忍法」はない。同胞社会の発展はそれを守りぬこうとする同胞らの思い、そして地道な活動によってのみ担保される。そのことを伊賀同胞らの姿から感じずにはいられなかった。

「伊賀同胞社会は死なずに生きている。ここ伊賀の地でも先代が築いた伝統、民族性がしっかりと継承され守られていることを知ってほしい」。非専従支部委員長の言葉が筆者の胸をついた。

本紙記者が伊賀の地を訪れたのは約15年ぶり。困難な状況に負けず同胞社会を守っている「こんな所」に住む同胞の声をもっと届けていきたい。

(根)

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