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〈取材ノート〉核心に迫る

11月29日、東京無償化裁判の原告、保護者合同説明会の場。

「この闘いは絶対負けたくないし、負けてはいけないんです。何故なら、在日朝鮮人としての生きる価値、尊厳の問題だから」

ある保護者が参加者たちへそう話した時、それまで重々しかった会場の空気が、一瞬にして変わった。原告らの主張を棄却した最高裁の決定に象徴されるように、いまだに続く公的な朝鮮学校排除。ただの裁判ではない、在日朝鮮人としての尊厳を守るための裁判であると、私たちがなぜ闘争をするのか、その核心に迫りキッパリと話した保護者の姿は、蔓延するヘイトに疲弊した人々を改めて奮い立たせた。

今年8月の最高裁決定により、東京での司法闘争の場は絶たれたが、この過程で芽生えた連帯や多くの気づきは今後の運動を支える価値あるものだといえる。そして取材をしながら、以前みたとあるツイートを思い出した。「社会的弱者に対する眼を失ったら終わり」。

筆者たちはいま、清算されないままの植民地主義が根ざした社会に生きている。いま求められるのは、蔑ろにされてきた歴史的事実を改めて掘り起こし、日本社会はもちろんのこと同胞社会においても、声なき声に目を向け、寄り添うことではないだろうか。

(賢)