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〈取材ノート〉ベネズエラ人の「朝鮮観」

2019年04月17日 08:04 コラム 対外・国際

「在日発、地球行・第2弾」ベネズエラ編では3回にわたって同国の情勢を紹介したが、ここで、現地の国民が抱く「朝鮮観」について簡単に触れたい。

距離にして約14,000 km離れている朝鮮とベネズエラは反帝自主、社会主義の旗印のもとで同志的関係を築いてきた。直近の政治外交レベルの交流と言えば、最高人民会議常任委員会の金永南委員長(当時)によるベネズエラ訪問(昨年11月)。マドゥロ大統領との会談では、伝統的な親善・協調関係が確認され、非同盟運動を強化・発展させる問題などが話し合われた。

これを機に「ベネズエラの新聞やテレビは改めて2国間関係の重要性について強調した」。そう話すロケ・ドゥアルテ(48歳、観光業)は「朝鮮は国土こそ小さいが大きな力を持っている。『世界の警察』である米国と闘っている尊敬すべき国だ」と賛辞を贈る。

一方、社会活動家のカルロス(42歳)は、数十年間にわたる制裁と封鎖の中で核戦争抑止力を完成させた朝鮮と、豊富な天然資源を持つものの米国の圧力によって政治、経済的な混乱状態に陥る自国を比較。「ベネズエラは朝鮮のように国家として組織化されていない。文化的にも脆弱で、外国から多くの影響を受けている」と指摘する。

ベネズエラの教訓は、真の解放と独立を勝ち取るうえで、一心団結、自力更生の実現がいかに困難かつ不可欠なものかという問いを投げかけている。

(徳)

〈在日発、地球行・第2弾〉ベネズエラ編

〈在日発、地球行・第2弾 8〉治安の悪さは世界一!?/ベネズエラ

〈在日発、地球行・第2弾 9〉いまだ革命の途上に/ベネズエラ

〈在日発、地球行・第2弾 10〉自分たちの運命は、自分たちの力で/ベネズエラ

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