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“勧告履行は当然のこと”/差別反対訴え院内集会、前CERD議長が報告

2019年01月22日 16:05 主要ニュース

アナスタシア・クリックリー前CERD議長を招き行われた院内集会

前国連人種差別撤廃委員会(CERD)議長のアナスタシア・クリックリー氏を招いた院内集会「外国人政策と国際人権基準」が18日、衆院第二議員会館で行われた。主催を人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)が務めた。

「外国人労働者の受け入れ拡大」を名目に、入管法改正案が昨年12月に成立。今年4月からの実施を控えるなか、他方では雇用主による利益追求や人手確保が前提となる本法案をはじめ、公人によるヘイトスピーチや国籍差別など日本における外国人の人権が守られていない現状が問題視されている。

一方で95年に日本がCERDに加入して以降、これまで4回の政府審査で行われた総括所見では、日本における人権状況を懸念し度重なる勧告が出たにも関わらず、日本政府は「人種差別ではない」として何ら対策を講じないまま、あらゆる差別問題を野放しにしてきた。

アナスタシア・クリックリー前CERD議長

集会でクリックリー前CERD議長は、ヨーロッパにおけるレイシズムと移民・難民の人権保護の問題や、自身が2010年から18年1月までCERD委員として活動した経験(最後2年間議長を務める)について報告。「人種主義は、実際に社会に存在する多様性が無視される非常に問題のある概念で、社会における階層を生み出した」としながら「その概念に隠された多様性のなかに日本でいえば部落民や沖縄、在日コリアンなどといったマイノリティも居る。多様性は社会にずっと存在してきたもの。新たに移民を迎えるいま、これまであった多様性に社会がきちんと向き合ってきたのかを改めて問い直すべきだ」と語った。そのうえでCERDが出す勧告の履行について「国が批准しているのであれば勧告を履行することは当然のこと」だと強く指摘した。

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