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政府の「明治150年」礼賛を批判/市民団体が集会

2018年10月30日 09:36 歴史 主要ニュース

“一面的な歴史認識の強要” “加害の歴史、反省を”

明治維新から150周年を記念する政府主催の式典が10月23日、東京・永田町の憲政記念館で開かれた。安倍首相は式典で、明治期に日本が侵略戦争と植民地支配によりアジアの多くの人々の命を奪った加害の歴史については触れず、日本の「近代化」を進めた「栄光の歴史」として明治期を礼賛するなど、極めて一面的な歴史観を露呈させた。日本の市民団体は同日集会を開き、歴史を歪曲する「明治150年」礼賛キャンペーンは、軍備増強と憲法改正へと繋がるものだと批判の声を上げた。

アジア侵略への反省なく

「明治150年礼賛」を批判する集会には、約240人の市民らが参加した

「明治の人々に倣い、どんな困難にもひるむことなく、未来を切り拓いていく」

東京・永田町の憲政記念館で開かれた1868年の明治改元から150周年を記念する式典。安倍首相は「近代国民国家への第一歩」を踏み出したと明治時代の「光」の側面をひたすらに強調した。

明治政府は、近代化・産業化を成し遂げたが、その一方で「脱亜入欧」思想の下、軍国化を進め、朝鮮をはじめとするアジア諸国を侵略・植民地支配し、多くの犠牲を生んだ。式典では、「影」の部分である日本の軍国主義や植民地支配についての反省には触れられなかった。

安倍首相は式典で、「近代化への道のりは、大きな危機意識の中で始まった。当時、技術に先んじる列強が植民地支配を進め、その波がアジアにも押し寄せていた。国力に後れを取っていた我が国は、正に国家存亡の危機に直面していたと言っても過言ではない」と指摘。

現代の急速な少子高齢化や急激な国際社会の変化を「まさに国難ともいえる時代」と位置づけ、「明治の人々が、勇気と英断、たゆまぬ努力、奮闘によって、世界に向けて大きく胸を開き、新しい時代の扉を開けたことに想いをはせながら、私たちは、この難局に真正面から立ち向かい、乗り越えていかなければならない」と訴えた。

アジア諸国に対する帝国主義的侵略の本質を隠蔽し、あたかも日本が「被害者」であったかのようにふるまう歪んだ

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