訪朝した演出家の米内山氏が講演
2016年11月29日 09:31 共和国 主要ニュース“心根優しく明るい人々”、“互いに協力し、新しい歴史を”
ろう者であり、演出家の米内山明宏さん(64)の講演会が26日、東京・港区の東京都障害者福祉会館で行われた。朝・日のろう者の交流・協力促進をめざす「日朝ろう友好会」(2015年発足)が主催した。
日本ろう者劇団の代表を務める米内山さんは、数々の視覚演劇作品を発表する傍ら、演劇、映画、テレビなどの手話指導、手話監修も多く手がける、日本における手話表現の第一人者。今年9月に初めて朝鮮を訪問した米内山さんの話を聞こうと、この日の講演会には関東をはじめ地方からも沢山の人が来場した。
米内山さんは、日本による朝鮮植民地時代に釜山で生まれ、平壌で生活した経験を持つ父から、平壌について幼い頃に話には聞いていたと前置したうえで、初めて見た朝鮮について写真を見せながら話した。
米内山さんはまず、平壌の街並について、空が青く、建物もきれいに整備されており、路面にはゴミ一つなく掃除がきちんと行き届いていると話した。また、万寿台の丘の上に立つ抗日闘争と社会主義建設の歴史を表現した大記念碑や地下鉄駅構内の彫刻作品について紹介し、「朝鮮の彫刻はまるで動いているよう」と手話で再現。「彫刻技術は素晴らしいものだった。彫刻をゆっくり見学するためだけに、もう一度訪朝したいくらいだ」と話した。
一週間の滞在中、平壌の各所を見て回ったほか、開城や板門店にも足を伸ばした。「板門店にいた米軍は我が物顔でマナーが悪かった一方、朝鮮の軍人は礼儀正しくマナーも守っていた。朝鮮には米国に対する抵抗精神があると感じた。北と南は3年間の戦争で大変な思いをした。家族が離ればなれになるなど、いまだに心に傷がある」と思いを寄せた。