〈それぞれの四季〉ヒョシム選手との約束/任孝心
2016年04月05日 15:43 コラムちょうど1ヵ月前、今年開催されるリオ五輪に向けた女子サッカーアジア最終予選が大阪で行われた。ウリナラの女子サッカーは強いと評判。なので、私も内心、期待を寄せていた。
2月10日。日本による独自制裁の発表は、朝鮮選手たちへの厳格な入国規制騒動へ如実に表れた。緊迫な雰囲気の中、無事にウリ選手たちが入国「出来た」のは当然のこと。こんな時だからこそ、同胞たちは、体育強国である朝鮮の威容を轟かせてほしいという気持ちでいっぱいだっただろう。
応援歌や応援コールを何回歌い、叫んだろうか。応援席は試合を重ねるごとに、一目見ようと駆けつけた多くの同胞たちで埋め尽くされた。
全5試合、選手達が見せてくれた気合いは、力を与えてくれると同時に何よりも異国に住む私たちに「祖国」を感じさせてくれた。
最終日、実は選手達の歓送会で交流を図ることができた。思いがけないことに、選手の中に私と名前が一緒の選手がいた。ベトナム戦で見事に1点を決めたチーム最年少のチュ・ヒョシム選手。
「多くの歓声と応援が届きました」と笑顔で話してくれた。孝行する心と書いてヒョシム。手を繋ぎ最後に交わした彼女との約束。「来年の東アジア大会では必ず勝ち祖国への孝行をします」。その言葉に私も答えた。「在日である私はウリ選手たちをもっと応援する事で孝行する」と。
(大阪府在住、支部活動家)