同胞社会の明るい未来描く「挑戦」/「留学同結成70周年記念同胞学生FESTA」
2015年12月21日 18:17 主要ニュース2日目のフォーラム、セミナーなど
「留学同結成70周年記念同胞学生FESTA」(19、20日、日本教育会館)の2日目には「コリアン学生challengeフォーラム」が催され、午前に「コリアン学生のための『level upセミナー』」が、午後に「同胞社会の未来を切り開くコリアン学生challenge企画」が行われた。
「level upセミナー」は、「祖国、同胞社会のために同盟員たちが将来、幅広い分野で活躍する入り口となってほしい」(実行委員会)という思いから、民族と進路、留学・海外仕事経験、理系・医療系、資格、コミュニケーションアップなど多様なジャンルの分科が2回に分けられて行われ、同盟員たちはその中から好きなセミナーを選んで受講した。講師は留学同の卒業生をはじめとする各界で活躍する朝・日の人たちが務めた。
留学同京都の李るいさん(2年)は西東京第2初級の李政愛校長のセミナーに参加。「日本学校出身の自分が抱いていた朝鮮学校に対する保守的なイメージが消えた。『あなたは誰?』と聞かれたとき、堂々と在日朝鮮人だと答えられるように育てる場所が朝鮮学校なんだと感じた。西東京第2初級に一度足を運んでみたい」と話した。
午後の「challenge企画」では、同胞学生たちから募集した在日朝鮮人運動に対する提言(論文)、ビジネスモデル、文学作品、チョゴリデザインが発表された。
予定されたすべての発表が終わると、企画別に審査委員が作品を講評し、表彰式が行われた。
「冷戦・分断構造下の在日朝鮮人運動-『朝鮮』表示書き換え運動の分析を中心に-」と題した論文を発表し、優秀賞に輝いた留学同東海の金誠明本部委員長(4年)は表彰後、「前から抱いていた問題意識を、今回の企画を機に論文で具現化してみた」とチャレンジ精神を覗かせながら、「説得力のある主張、発信する力の大切さを感じた」と話した。
論文の審査委員を務めた留学同OBである鄭栄桓さん(明治学院大学准教授)は「在日朝鮮人を取り巻く現実の厳しさに正面から向き合いながらも、未来に向けてチャレンジする同盟員たちの力強さを感じた」とし、「状況はすぐに変わらない。現状と向き合い、分析した先に次が見えてくる。共に学問を深めて頑張っていこう」と力を込めた。
フォーラム閉会式のあいさつで留学同中央の金賢一委員長は、各企画に多くの募集作品が寄せられたことに触れながら、「同胞社会の明るい未来を切り拓いていこうとする同胞学生たちの意欲が旺盛だった」とし、「これからもチャレンジフォーラムを毎年行っていきたい」と述べた。
フォーラム終了後、交流パーティーが行われ、日本各地の同盟員たちは会話に花を咲かせ、絆を深めた。
(高英俊)