〈人・サラム・HUMAN〉栃木民族教育対策委委員長/文哲智さん
2015年07月01日 11:22 暮らし・活動 民族教育少しの協力と関心を
「アンニョン! 元気か。これからも頑張ろうな」
力みなぎる文さんの声は、話しかけられた人まで気分が高揚する。
去る4月29日、栃木朝鮮初中級学校では新しく学齢前の幼児たちを対象にした同胞幼児教室が開校した。活動の中心となって働きかけてきた一人が文さんだ。子どもたちがみな同校卒業生、また現在では学校支援に励む傍ら、人気の焼肉店を営んでいるというから、栃木で彼を知らない人はほとんどいない。
過去に奈良で朝青委員長を務めた縁で、昨年、奈良朝鮮幼稚園の再建が実現したのを現地で見た文さんは、心が動かされるものがあったと話す。「休校した学校を復活させることは容易ではない。それを成し遂げた奈良同胞たちの姿を見て胸に熱いものが込みあげてきた」。
その後文さんは、月に一度対策委員会を開き、学校事業の正常化のために励むようになった。2年間新入生がいない中、来年もゼロかもしれないという栃木の現状は一刻の猶予も与えてくれない。「先代が築きあげた歴史をしっかりと繋げたい」という思いを吐露する文さん。
「学校は同胞社会の生命線だ。少しの協力と関心が同胞社会の未来を決めるんだ。一部のひとが頑張るんではなく、栃木同胞一人ひとりの関心と協力で学校を守ろう」と熱く訴えた。(賢)