世界規模の日米軍事同盟実現へ−安倍訪米をどう見るか/浅井基文
2015年05月08日 09:43 朝鮮半島 主要ニュース新ガイドラインの本質
日米首脳会談後の共同記者会見において、安倍首相は自ら新ガイドラインの本質を赤裸々にまとめた。
「今日、我々は米日同盟の歴史に新しいページを開いた。それは、世界における日米同盟である。」
湾岸危機・戦争以来、米国は世界軍事網を形成する戦略を追求してきた。米国は、ソ連という脅威が消滅した後の1991年にNATOの新戦略概念を定め、その後の実践を踏まえて1999年及び2010年に改定を行った。戦略の根本は、平時から戦時に至る、あらゆる事態に切れ目なく対処できる軍事システムの構築だ。
米国は、日本に関してはアプローチを変えた。米国は、「北朝鮮核疑惑」(1993-4年)を口実に対朝鮮軍事行動を画策したが、出撃・兵站拠点となるはずの日本が対応できないことを思い知らされた。そこで米国は、1978年のガイドラインを改定(1997年)させ、さらにアーミテージ報告(2000年)以来、日本に集団的自衛権行使を要求してきた。その目標は、NATOの戦略概念に体現された、平時から戦時に至る、あらゆる事態に切れ目なく対処できる軍事システム構築だった。新ガイドラインは、「NATO並みの日米同盟」、日米軍事同盟のNATOと同レベルへの引き上げを目指すものだ。