公式アカウント

〈日朝の70年・そして未来へ 3〉あぶり出された帝国の亡霊/高見恒憲

2015年01月28日 14:24 主要ニュース

なぜ戦争責任を容認しないのか

高見恒憲さん

高見恒憲さん

はじめに

昨春に出版した「異境の地で二度殺されたアリランの父よ」

が朝鮮新報の記者に渡り、インタビューを申しこまれた。わたしの日程に先約があり、せっかくの機会に残念だが、本稿の「なぜ書いたか」の投稿でお許しを願った。

わたしにとって四冊目のこの詩集は最後と思い、相当の冊数を印刷。仙台の民主書店での販売、年金者の仲間たちや宮城県の歴史研究家、日朝協会、日本中国友好協会の方々の目にとまり、それぞれ中央機関紙や宮城県詩人会の書評も影響してか、残部僅かとなる。

詩集には韓国併合の皇民化で日本の鉱山に連行され、その労働の現場の様子、女子挺身隊や「慰安婦」のありさまを一編64行の長編叙事詩にし、六編入る。特攻隊で出撃する朝鮮人航空兵、関東大震災の虐殺から逃れたが鉱山の落盤で圧死した朝鮮人坑内夫も書いた。

作品に登場するのは三菱金属細倉鉱山。1940年以降、全北任実郡の85人を皮切りに1945年8月まで963人が強制連行(厚労省勤労局報告文書)された。戦地に応召された日本人労働者の代替で鉱山のもっとも危険な地底へ休む日もなく追いたてられた。

Facebook にシェア
LINEで送る