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謝罪しない大統領 

2014年04月23日 13:54 春・夏・秋・冬

セウォル号沈没事故の悲しみを分かち合う動きが続いている。多数の犠牲者を出した過失への非難の声も高まっている。春夏秋冬

∇事故から5日後、朴謹恵大統領は青瓦台で会議を開き、乗客を救助せずに脱出した船長と乗務員の行為は「殺人に等しい」と断罪した。救助の不手際が指摘された公務員に対しては「政府から放り出す」と一喝した。大統領自身の謝罪や遺憾表明はなかった。

∇南では1993年にも292人の被害者を出す旅客船沈没事故が起きた。当時の金泳三大統領は事故現場を訪れ、謝罪し、再発防止の決意を述べた。北南関係を悪化させた対決論者として悪評高い大統領だが、現職と比べると、まともに見える。

∇今回は、行政組織のトップである大統領が、公務員の責任を一方的に追及した。彼女の頭の中では大統領と政府は一体化されていないらしい。会議での発言は「朴謹恵の幽体離脱語法の決定版」と揶揄する声が南であがっている∇旅客船沈没事故で政府のずさんな危機管理体制が露呈した。朴大統領の発言は、その責任逃れのためだが、見苦しい限りだ。海外メディアの論調も厳しい。ウォール・ストリート・ジャーナルは「船長が法廷に立つ前に、大統領が『殺人罪』を言い渡すのはおかしい」というソウル在住外国人の意見を紹介し、保身のための発言を糾弾した。「無責任大統領」の汚名をそそぐ術はどこにもない。(永)

 

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