米国のレッドライン
2014年04月11日 15:28 春・夏・秋・冬「レッド・ライン」は“越えてはならない一線”を意味をする。朝鮮は、米国の敵視政策に対して「レッド・ラインを引いた」という。国連代表部のリ・トンイル次席大使が会見で明言した。
▼米国は、朝鮮の体制転覆をねらい、「核」、「ミサイル」、「人権」を口実に圧力と挑発を続けている。それが一線を超えた場合、「朝鮮がどのような対応措置をとるか、米国は知っている」と次席大使は述べた。朝鮮の自衛的軍事訓練に対して国連安保理が不当な措置を講じた場合、「新形態の核実験も排除しない」(外務省声明)との立場も再確認した。
▼相手を恫喝し、地域の緊張を高めているのは、朝鮮ではなく米国だ。中国も警告を発している。先々月、北京を訪れたケリー国務長官に対して、王毅外交部長は「中国は、朝鮮半島での混乱や紛争の発生を決して容認しない」と強調し、その発言をメディアに公開した。ここでいう「混乱」とは、米CIAなどが企てる「朝鮮の急変事態」であり,「紛争」とは、米軍と南朝鮮軍の軍事挑発が引き起こすかもしれない「武力衝突」のことだ。
▼朝中の外交当局者が、根拠もなく警告を発することはない。それなりに動向を察知しているのだろう。朝鮮の積極的アプローチによって、北南間と朝・日間で対話が始まり、米国が蚊帳の外で傍観するという構図は想定しにくい。「超大国」の暴走を未然に防ぐための外交戦が展開されている。(永)