約束違反
2014年03月15日 09:55 春・夏・秋・冬南の約束違反に北が不信感を示した。2月中旬、板門店で行われた北南高位級接触で双方は「誹謗中傷の中止」で一致したが、相手の神経を逆なでする言動は今も南で続いている。11日、北側は高位級会談代表団の名義で抗議の談話を発表した。
▼これに先立ち、北側は青瓦台・国家安保室に抗議文を送っていた。メディアには公表しなかった。高位級接触の南側首席代表は国家安保室第1次長。北側は約束を守らない責任を問い詰めた。
▼問題視したのは「脱北者」団体の行為だ。軍事境界線の近くに出向き、反北ビラや聖書、生活雑貨品を北に向けて風船で飛ばした。北の抗議に対する青瓦台の対応は無責任で誠意のないものだった。「表現、集会の自由を制限できない」の一言で片付けようとした。
▼北側が納得するはずがない。雑貨などの工業製品を北に送る場合、「南北交流協力法」によって事前に統一部の許可を受けることになっている。当局は、団体が軍事境界線に接近することも黙認した。統制システムは存在するのに稼動させなかったというのが真相だ。
▼水面下のやりとりで収拾すれば、北側はメディアによる抗議談話発表を控えたはずだ。高位級接触は、北南首脳の特命を受けて行われるもので、合意履行においては確実性が求められる。約束を実行する大胆さも必要だ。南の大統領に北南関係を改善する能力と覚悟があるのか。北側は見極めようとしている。(永)