公式アカウント

〈取材ノート〉海を越えた「同志」たちとともに

2013年09月02日 11:49 コラム

50年前の8月28日、米国のワシントンでは、人種差別撤廃を訴え、マーチン・ルーサー・キング牧師を中心に多くの黒人たちが大規模な行進を行った。

16世紀から始まった奴隷貿易によって、1200万人~2000万人に及ぶアフリカ人がアメリカ大陸に渡ってきたという。彼らは、奴隷制という足枷から「解放」されたが、政府による搾取、権利剥奪、抑圧は続いた。彼らは社会悪を排除しようと、命を顧みず権利獲得闘争を繰り広げ、人種差別撤廃をうたった公民権法、投票権法などの法制定を勝ち取った。取材ノート

しかし、黒人闘士たちの「夢」がかなったとは言えない。現在も、貧困、失業、犯罪、暴力の最前線に立たされている黒人たちは、西洋諸国が謳う普遍的な人権を回復しようと、「声」を上げ続けている。

一方、遠く離れた日本にも、彼らと同じように人権を踏みにじられ続ける存在が。日本帝国によって、強制的に日本に連行されてきた朝鮮人たち。植民地主義から連なる、ヘイトスピーチ、「高校無償化」制度からの朝鮮学校の除外など、現在も在日朝鮮人への民族差別、迫害はとどまることを知らない。

世界人権宣言の第一条には、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」と書かれている。

米国の黒人も、日本の在日朝鮮人も、ともに自己の解放、自主的な生のために闘ってきた。この問題は等しく、植民地主義が生んだ「負の遺産」だと言える。私たちは、海を越えた「同志」たちとともに、これからも闘い続けなければならない。(徳)

Facebook にシェア
LINEで送る