〈特集・関東大震災90周年〉群馬での歴史保全活動/日朝友好連帯群馬県民会議
2013年08月22日 10:59 主要ニュース何もしないのは、過去忘れること
群馬県藤岡市の成道寺にある墓所の一角には、関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者を悼む慰霊碑が建てられている。毎年9月になると碑の前で慰霊祭が営まれており、多くの参列者が黙祷を捧げる。
慰霊祭を主催しているのは日朝友好連帯群馬県民会議と連合藤岡地協だ。もとは地域労働組合組織が主催していたが、様々な事情から10数年間停止状態に。
しかし1993年、群馬県民会議の呼びかけによって再開されて以降20年間、絶えることなく行われてきた。
群馬県民会議の宮川邦雄事務局長(72)は主催団体となった経緯について「(朝鮮人犠牲者たちは)異国の地で命を奪われ、骨となっても祖国に帰れない。日朝間が真の友好関係を築くためには、まずは朝鮮人を虐殺したという過去と向き合い反省することから始めなければと思った」と話す。
関東大震災発生直後、群馬の旧多野郡藤岡町では17人の朝鮮人が自警団によって虐殺された(通称=藤岡事件)。
事件現場となったのは、成道寺の隣に位置していた当時の藤岡警察署。「朝鮮人が不逞行為を働いている」という流言飛語に警戒を高めた自警団は、警察所で「保護」していた朝鮮人を留置場から引きずりだし門前で激しい暴行を加えた後、無残に殺害した。遺体は警察署に無造作に放置されたという。