オバマ、2期目の課題
2013年06月21日 12:50 春・夏・秋・冬朝鮮が米国との高位級会談開催を提案した3日後、オバマ大統領がベルリンで演説し「戦略核の3分の1削減」を表明した。もうひとつの核大国、ロシアに交渉を提案するという。
4年前のプラハ演説で打ち上げた「核なき世界」のビジョンを改めて示し、2期目の重要課題として取り組む姿勢を国際社会にアピールしようということか。世界の非核化を目指すと理想を語っただけでノーベル平和賞を受けたのだから、4年の任期中に何もしないというわけにもいくまい。
これまでは自らの理想に背く行動を繰り返してきた。朝鮮に対する敵視政策を続け、二度の核実験を引き起こした。今年の春は朝鮮半島に一触即発の核戦争危機をもたらした。
今回、大統領はドイツ統一の象徴となったブランデンブルグ門の前で「核兵器が存在する限り、我々は完全に安泰ではない」と述べた。それが本心であるならば、朝鮮の主張に真摯に耳を傾けるべきだった。半世紀以上にわたり核戦争の危機にさらされてきたアジアの分断国は、米国の核脅威を終わらせ、朝鮮半島から世界の非核化を目指すことを訴えてきた。
「朝鮮半島非核化は金日成主席と金正日総書記の遺訓」-朝鮮の確固たる意志を示す言葉で、これ以上のものはない。今回、朝鮮は米国との高位級会談を提案し「核なき世界」の建設問題を議題の一つとして示した。二期目の大統領にとって、やりがいのある仕事のはずだ。(永)