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日朝国交正常化連絡会、総会と記念講演/「圧力重視の政策見直しを」

2013年06月24日 11:13 主要ニュース

東北アジアの非核化と平和の確立を求める「日朝国交正常化連絡会」の総会および記念講演会が20日、東京・千代田区の連合会館で行われた。琉球大学の高嶋伸欣名誉教授が日本で昨今問題となっている在日朝鮮人に対するヘイトスピーチ(憎悪表現)について、東京大学の和田春樹名誉教授(連絡会顧問)が日朝関係改善のための課題について、それぞれ講演。また連絡会の石坂浩一共同代表兼事務局長(立教大学准教授)が、同会の今後の取り組みについて話した。

各地の代表たちが集った日朝国交正常化連絡会の総会および記念講演会

各地の代表たちが集った日朝国交正常化連絡会の総会および記念講演会

語るべきは本質

講演会ではまず主催者を代表し、伊藤晃二共同代表(日朝長野県民会議会長)があいさつ。日朝両国が国交を正常化することが何よりも大切であり、そのために訪朝団をはじめ民間レベルでの交流を推し進めるとともに、日本の中で世論を形成していくことが必要だと訴えた。

高嶋教授は、新大久保などで休日の白昼に行われているヘイトスピーチデモについて、表現の自由などではないれっきとした脅迫行為だと断じたうえで、「大半の参加者は冷静な判断のもとに行っているわけではない」とし、その根本には「社会の閉塞感に対する若者たちの苛立ち」があり、社会での存在感を得ようとする若者たちのエネルギーの受け皿を作ることが必要だと話した。

また政治家たちが日本軍性奴隷問題などについて「日本の一部でしか通じない歴史認識」(高嶋教授)を振りかざしていることに警鐘を鳴らしながら、植民地下で行われた犯罪が「非人道的な罪」なのだという本質についてマスメディアがしっかりと語っていないと非難した。

高嶋教授は、歪んだ歴史認識とヘイトスピーチは対を成すものであり、解決の筋道をつけるためにも「歴史の事実を知ること」がもっとも大切であり、日本で歴史教育がしっかりと行われなければならないと話した。

和田教授は、第1次安倍内閣(2006年)以降、民主党を経て再度自民党が政権与党となり、第2次安倍内閣が誕生したが、朝鮮に対する圧力を優先する政策は変化していないと指摘。朝鮮との交渉再開のためには安倍首相が対朝鮮政策を転換しなければならず、それを促すために、世論を変えていくことが重要だと話した。

一方、石坂共同代表は日朝国交正常化連絡会の今後の具体的な取り組みについて、▼日朝平壌宣言発表日(9月17日)を前後して国交正常化を求める集会の開催、▼日本政府に植民地支配への反省と謝罪の態度表明を要求、▼「高校無償化」制度適用をはじめとした朝鮮学校への差別是正などを求めていくと話した。

講演会では、東北アジアの平和を実現するために、安倍政権が圧力を基本とした対朝鮮政策を見直し、日朝国交正常化のための交渉を再開するよう求めるアピールが、拍手のもと採択された。

各地の取り組み

記念講演会に先立ち、連絡会の全国総会が行われた。

総会では、日本各地から代表が集い、1年間の活動が総括されるとともに今後の運動について議論され、また各地の取り組みも報告された。

連絡会では昨年9月、平壌宣言10周年に際し日朝交渉再開を求める要請文を野田首相(当時)に伝達したほか、朝鮮学校に対する差別是正問題にも取り組んできた。また、朝鮮学校支援のための募金活動(長野)、補助金予算の復活を求める署名運動(神奈川)、日朝友好フェスティバル支援(新潟)など、各地でも積極的な活動が行われてきた。

総会では、6.15共同宣言実践日本地域委員会が展開している「朝米平和協定締結と北南共同宣言履行のための宣言運動」についての説明も行われた。

(朝鮮新報)

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