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〈取材ノート〉オモニの作るお弁当

取材ノート今月の「セセデ欄」(21日付)のテーマは、「同胞と食」。同胞社会の今を「食」を通じて垣間見ようというもので、今年4月に朝鮮学校初級部に息子を入学させたオモニの「初めての弁当作り」を取材した。

栄養価のあるものを子どもが楽しく食べられるよう、日々試行錯誤しているという若いオモニ。その優しい姿は、かつての自分のオモニと重なった。

幼い頃オモニに「このおかずがおいしかった」と言うと、弁当箱の中には飽きるほどにいつもそれが入っていた。そんな弁当を、叱られた次の日には、あえて持って行かないことで反抗をしたりもした。

それでも、長兄の初級部入学から自分の高級部卒業までの15年間、オモニは家族全員分の朝食を用意するかたわら、毎日かかさず丹精込めて弁当を作ってくれた。それがどれほど大変なことだったかと思うと、今さらながら胸の奥が熱くなった。

今でも多くの朝鮮学校では、弁当持参が日常だ。登校時、初級部低学年などのまだ体の小さな児童たちにとって弁当は「重い荷物」で、負担になることもある。

けれど取材を通じて、朝鮮学校に通う子どもたちの弁当には、わが子を長い通学路へ送り出すオモニたちの覚悟と、深い愛情が詰まっているように思えた。

子どもたちは、いずれ大人になり社会に羽ばたいて行く。彼らが幼かった学生時代を振り返ったとき、それは何にも代えがたい大きな財産になるはずだ。(周)