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米大統領の「予測」

2013年04月20日 16:14 春・夏・秋・冬

先日、オバマ大統領が米NBCテレビとのインタビューで「北朝鮮は挑発的な言動をさらに数週間続けるだろう」と語った。裏を返せば、数週間後の局面転換を示唆する発言だ。春夏秋冬

▼その時点で国務長官のアジア歴訪のニュースは伝わっていた。朝鮮半島の軍事的緊張が高まる中、ケリー長官はソウル、北京、東京で「対話による問題解決」を主張した。南の大統領も国務長官が訪れる前日に「北と対話する」と言い出した。

▼オバマ大統領は、国務長官をアジアに派遣する直前、国連事務総長と会談し「誰も朝鮮半島の紛争を見たくない」と外交による解決を訴えていた。現在の国連事務総長は、南の外交通商部長官を務めた人物だ。会談後、彼はCNNに出演し、金正恩第一書記に朝鮮語で呼びかけた。「民族の平和と統一のために…対話の場に戻ってこられることを切に願います」。

▼このように、ホワイトハウスが立てたシナリオは、米国の世論を誘導するのに都合よく出来ている。緊張激化の原因は「北朝鮮の挑発的な言動」であり、米国が相手を説得し、対話の場に引き出すことで事態が収まるというストーリーだ。

▼米国の朝鮮敵視が対立の根源だという歴史的事実を隠蔽したままの解決策はあり得ない。朝鮮は米国の「対話論」を一蹴した。米国が自らの行動を悔い改めない限り、現状は続く。数週間後の「転機」を予想した大統領は「嘘つき」のレッテルを貼られることになる。(永)

 

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