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〈取材ノート〉「思いやり」

取材ノート先日、東京朝鮮第4初中級学校で行われたタグラグビー教室で。指導に当たった東京朝高ラグビー部後援会のメンバーは生徒たちに、「One for All, All for One (一人は皆のために、皆は一人のために)」の精神や、仲間と助け合うことの大切さを説いた。

ある生徒はこう話した。「自分が投げたパスが強ければ味方は取りづらい。コーチから思いやりの精神が大切だと言っていたとおり、友だちのことを考えてプレーした」。

この言葉を聞きながら他人を思いやる気持ちに感心した。と同時にあることに気づいた。言わずもがな、その気持ちこそ民族教育に受け継がれてきた集団主義精神と同一のものであると。互いに尊重し、助け合う。簡単そうで難しいことが、朝鮮学校に通う子どもたちには当たり前のこととして身についていると思った。

印象的だったのは朝鮮大学校の入学式(10日)。このような民族教育を受けてきた新入生たちは抱負を語る際に、「父母のために、同胞社会のために」と口を揃えて話していた。

一方、日本の社会に目を向けると、学校ではいじめがはびこり、自殺は年々増えている。なにがそうさせるのか。これらの問題は自分がよければすべて良し、他人のことには興味がないという利己主義、無関心に起因するものではないのか。

大切なのは、他人の痛みや悲しみを自分の立場に置き換え、「思いやり」を持つことであろう。

民族教育が子どもたちの「思いやり」の気持ちをしっかり育んでいるという素晴らしさを、改めて実感した。 (徳)