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大統領の「約束」

2013年03月22日 12:53 春・夏・秋・冬

ホワイトハウスの国家安全保障担当補佐官がある会議で意味深長な発言を行った。「オバマ大統領の約束に疑心を抱くなら、ミャンマーの事例を見よ」。米・南の軍事演習が本格化し、停戦協定が「完全白紙化」した日の出来事だ。春夏秋冬

▼補佐官は朝鮮の核開発を座視できないとしながら、朝鮮が意味ある行動をとるならば、米国は交渉を始める用意があると示唆した。「オバマ大統領の約束」については具体的に説明しなかった。

▼これまでの経緯から推測はできる。オバマ政権は昨年の4月と8月、国家安全保障会議(NSC)などに所属する政策担当者を極秘訪朝させている。朝鮮外務省によると「米国は朝鮮を敵視していない」との立場が伝えられたという。今回、「約束」発言を行った大統領補佐官は、平壌に派遣されたNSCスタッフの上官にあたる人物だ。

▼オバマ政権は、米国の意向に従うミャンマーの政権と「関係改善」し、昨年11月、大統領が首都ヤンゴンを訪れた。ミャンマー問題と絡め、朝鮮との交渉開始に言及した補佐官発言は、停戦協定が白紙化した現状に対する米国の焦りと危機感の表れだろう。

▼ところが、朝鮮外務省は発言に反論した。米国が先に行動せよと迫った。「言うことを聞けば助けてやるという誘惑は、われわれに通じない」、「米国が敵視政策を放棄しない限り、対話するつもりはない」。朝鮮の主導権は揺るぎなく、米国は守勢に立たされている。(永)

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