東京青商会チャリティーコンペの裏側、マンモス行事にかける想い
2013年03月22日 16:15 主要ニュース東京青商会が都内の朝鮮学校に入学、入園する新入生、園児の制服を贈るため主催した第15回チャリティーゴルフコンペ「ピカピカカップ」(20日)には、同胞、日本市民732人が参加した。史上最多参加記録の2年連続更新となった。
史上最多の732人参加
2011年3月に予定されていた第14回大会は、東日本大震災のため、急遽中止となった。
それまで万全の準備をし、当日は600余人の参加を見込んでいた。当時の東京青商会会長(楊聖柱氏、42)による苦渋の決断だったが、前年までの大会で蓄えた資金で、制服代を賄った。
各地の青商会同様、東京青商会も相互扶助の熱い気持ちで震災直後から精力的に被災地への支援活動を行った。何度も被災地に足を運び、状況を随時発信し、支援活動を呼びかける会員が少なくなかった。会員らは同胞が団結し助け合う意義について改めて考えていた。
そのような過程を経て、震災から1年後の12年3月、2年ぶりの第14回大会を迎えた。ここには718人が参加した。443人が参加した第13回大会(2010年3月)の2倍に迫る数だった。
そして今年、この数字をさらに上回った。数年間で参加人数が向上した要因は、東京の民族教育を盛り上げようと心を一つにしてきた東京青商会の全体的な組織強化策にあった。
東京青商会では、都と各地域の青商会役員同士がしっかりと、継続的につながることを重んじている。とくに東京青商会会長は幹事長と共に、17地域の夜会や海水浴、幹事会、忘年会など、地域のイベントに足を運び続けている。これが伝統的な活動となっている。
また、12期(現在16期)から7つの部署(宣伝広報、民族教育支援、生活文化、経営企画、国際交流、財政、総務)を設け、役員らが目的意識を高め活動に取り組んできたことで、17地域青商会の活動は、より活発になった。現在、地域青商会内に部署を設置し、組織体系はさらに強化されている。
同世代が各地域で役員を務めていることや、青商会を卒業した同胞のアドバイスを積極的に受け入れ、多分野の仕事における日ごろの連携を青商会活動に活かしている点なども強みだ。
このような日ごろの活動が、今年の「732人参加」という記録的な数字につながった。会場を近場の4つに分けなければいけないほどだった。
東京青商会の高哲相会長(40)は、「会員ひとりひとりのパワーによって732人という数字を達成した」としながら、「決意をして、信念を持って、やらない理由を探すのではなく、やる理由を考える。東京青商会は今後もこの考え方で、在日同胞の相互扶助の気持ちに訴えかけ、同胞の団結強化に寄与していきたい」と語った。
今大会に豊島地域から約100人を参加させるため尽力した豊島地域青商会の崔守元会長(39)は、会長として、どっしり座るのではなく、何事に対しても率先して動き、義理と人情で会員同士をつなげるため奔走した。「地域の盛り上がりを、東京の盛り上がりにつなげたい」と意気込む崔会長のような地域の役員が東京青商会を支えている。
「みんなでスクラムを組んで大きな一歩を歩む。このような集団の新たな形作りも意識的に行ってきた。それが東京青商会の組織力につながると展望している」(東京青商会の鄭仁洙副会長、第15回ピカピカカップ実行委員長、40)
新たな挑戦もいとわない東京青商会の力強い姿に、OBや関係者たちも目を細めている。
東京青商会の李秀康直前会長(41)は、「後輩たちががんばっている姿を見ると心強い」と話す。
(李東浩)