〈取材ノート〉「主人公」になって
2013年03月11日 15:48 コラム大阪のとある地域青商会結成総会までの過程を取材したときのこと。青商会結成に向け熱心に走り回っていた一人が、「あるメンバー」との連絡がつかないと頭を悩ませていた。その様子を見て、共に結成に向け動いていた留学同出身の同胞青年は、すぐに連絡をとった。同地域に住むようになってまだ浅いというその青年は、「あるメンバー」と留学同活動でつながっていたのだ。
地域青商会などの役員を構成していく上で、重要なヒントを感じた。交友関係が違う者同士がひとつのテーブルで多様な意見を出し合い、信頼関係を築いていくほど、組織作り、人集めはバラエティーに富み、幅広いネットワークが構築され、実践力にも磨きがかかる。同胞行事準備のための支部や分会の会議で、音楽や料理、動員など得意分野を活かし役割分担し合うのも、同様ではないだろうか。
かくいう記者が住む地域の青商会や朝青支部、分会の役員も、朝大や朝高出身だけでなく、日本学校出身や留学同活動を行ってきた役員、他県出身、スポーツや芸術サークル出身の役員が入り混じっていて、意見交換の領域は広い。とりわけ、役員でなくても「主人公」として、新たなつながりを自ら作り、活動を盛り上げようとする同胞青年が周囲に良い刺激を与え、地域を盛り上げている。そうした活動を積極的に行う同胞青年が増えるほど、地域同胞社会はより繁栄すると感じる。
そのような姿を見て、現在の同胞社会を築いてきた同胞1世たちは、いたく喜んでいる。(東)