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補助金予算案計上求め埼玉朝鮮学園が声明文発表

2013年02月21日 15:04 主要ニュース 民族教育

「民族差別、納得できない」

埼玉県の上田清司知事は13日、朝鮮による核実験、拉致問題になどを理由に、埼玉朝鮮初中級学校への補助金(約900万円)を2013年度当初予算案に計上しない決定を明らかにした。これに関連し、埼玉朝鮮学園は19日、補助金の速やかな支給を求める声明文を発表した。全文は次のとおり。

埼玉県の上田清司知事は2月13日の定例会見で、「日本人拉致問題が何ら進展がなく、度重なるミサイル発射や核実験など、もう我慢にも限界がある。埼玉朝鮮初中級学校の運営費補助金を2013年度の一般会計当初予算案に計上しないことを決めた」と述べた。

県の総務部学事課が、14日朝鮮学園に通知した。

上田知事が補助金支給を2年連続保留凍結していたにもかかわらず、核実験を口実に突如として「朝鮮学校への補助金を計上しない」との決定を下したことについて、驚きと憤りを禁じえない。

今回の「核実験」と埼玉朝鮮学園とは何の関係もないということは、あまりにも明白であり、それを口実に本学園を結び付けるのは許しがたい民族差別であり、生徒たちに対するイジメ、学ぶ権利を著しく侵害するものである。全くの筋違いであり納得できない。

日本も批准している子供の権利条約と国際人権規約が規定しているように、すべての子どもたちにはどの国に住もうとも、学校を選択する権利や民族的アイデンティティを保持しながら教育を受ける権利を有している。

朝鮮学園は1981年から私学補助制度が適用され、それ以降30年にわたり埼玉県が補助金を支給してきた。

今回の決定は、国際規約に反するばかりか、2004年には埼玉朝鮮学園に来校し、民族教育の現状を視察し補助金支給を継続してきた知事自身の自己否定につながる矛盾に満ちたものである。

この間、埼玉朝鮮学園は県の指導を誠実に受け「財政健全化計画書」も提出し、学事課の要求通り授業参観を何度も行ってきた。

そして教育内容や運営状況を詳細に調査した結果報告が知事に提言された。

また、県知事にあてた2万筆の署名も届けた。

同胞たちは、誰もが住みやすい共生社会を築くため、地域住民として社会の発展を望み、納税をはじめ諸般の義務を誠実に果たしている。

生徒たちも、日本の学校との文化交流をし、地域の体育イベントにも毎年参加している。

周辺の日本のみなさまも、フリーマーケットの日は数百人来校し、楽しいひと時を過ごしており、公開授業も見ている。

朝鮮学園は、地域と深い信頼関係を築くため、長年にわたり惜しみない努力を行ってきた。

それにも関わらず、県知事の今度の民族差別的な決定は、結局、政治と教育を切り離さずに下したものであり、到底理解することができない。

朝鮮学園は、本校に子どもたちを通わせている父母をはじめ県下の全同胞の名において、上田清司県知事に強く抗議し、決定を取り消すとともに凍結された補助金を速やかに支給するよう強く求める。

(朝鮮新報)

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