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〈高校無償化〉院内集会で共闘誓う

2013年02月11日 17:05 主要ニュース

3月に大集会予定

「朝鮮学校排除のための省令改『正』に反対し『高校無償化制度』の即時適用を求める院内集会」(主催=朝鮮学校を支援する全国ネットワーク)が7日、衆議院議員会館で行われた。
朝鮮学校の生徒、教員、保護者、日本の市民団体関係者、国会議員などが参加した。参加者たちは朝鮮学校に制度を適用しないことが憲法に著しく違反するということを再確認。制度が適用されないまま朝鮮高級学校生徒の3期目の卒業式を控えたいま、参加者たちに改めて共闘を呼びかけた。集会では3月31日に東京・日比谷野外音楽堂で大集会を開催することが発表された。

「絶対あきらめない」と語る長谷川共同代表。3月に行われる大集会で、ともにたたかおうと呼びかけた

「人に与えられた当然の権利」

自民党政権が発足した昨年12月28日、下村博文文部科学大臣は朝鮮学校生徒に「無償化」制度を適用しない方針を表明した。また、朝鮮学校への「無償化」適用審査が継続中であるのにも関わらず、その根拠となる規定を削除しようとする改正案を提出。同案についてのパブリックコメント(以下、パブコメ)を今年1月26日で締め切り、法案改正準備を進めている。

院内集会は、国際人権規約にも違反する省令改「正」を撤回し、朝鮮学校生徒たちへ一日も早い「無償化」適用を求め、開かれた。

主催者を代表しあいさつする、「朝鮮学校を支援する全国ネットワーク」の藤本泰成事務局長

主催団体である「朝鮮学校を支援する全国ネットワーク」の藤本泰成事務局長はあいさつの中で、国連の人種差別撤廃委員会が2010年に出した勧告の中に『二つの懸念』を記していたことに言及。一つは中国、朝鮮系の外国人学校などに対して助成金の不当な扱い、もう一つが彼らを排除しようとする政治家の露骨な発言に関するものだったが、それが「いま、まさに国連の『懸念』と同じような状況が広がっている」と指摘した。

「民族学校で民族教育を学ぶことは、人に与えられた当然の権利。東京都の猪瀬知事が『成熟した社会でオリンピックを』と発言しているが、差別発言を繰り返す者が当選して知事になるような社会が、成熟した社会と言えるのか。我々は日本に根付くアジア諸国への不信感を払拭しなければならない。それを実現する具体的な措置が、朝鮮学校に『無償化』を適用することだ」(藤本事務局長)

続いて、社民党幹事長の又市征治参議院議員、同じく社民党の吉川元衆議院議員、アムネスティ・インターナショナル日本の若林秀樹事務局長、そして朝鮮学校生徒、保護者代表らが発言した。

「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」(以下、連絡会)の長谷川和男共同代表は、2010年にこの問題が起こって以来、朝鮮学校を支援するために立ち上がった日本の市民団体は現在330団体を数えていると報告。そして全国の市民団体の要請により、3月31日に朝鮮学校「無償化」制度適用のための大集会(デモ)を日比谷野外音楽堂で行うと発表した。

校長会などが記者会見

これに先立ち、衆院議員会館で、各地の朝鮮高級学校の校長会、オモニ会連絡会、学生連絡会を代表して、東京朝鮮中高級学校の生徒、教員、保護者らが記者会見を開いた。

「1世2世がつくり守ってきた朝鮮学校を絶対手放せない」と語った東京朝高の呉香愛さん(高3)

記者会見では東京朝鮮中高級学校の慎吉雄校長が、全国校長会、オモニ会連絡会、学生連絡会の連名談話を発表。談話は、下村文部科学大臣が記者会見で朝鮮学校の「無償化」適用について「国民の理解が得られない」と発言しているが、日本政府はむしろすべての人々の人権が保障される社会の実現に向け、過去の植民地支配の犠牲者であり、納税者である、在日朝鮮・韓国人とその子どもたちである朝鮮高級学校の生徒たちに対する社会全体の理解を深めるための努力をすべきではないだろうかと、問いただした。

その後、学生連絡会とオモニ会連絡会の代表が発言し、朝鮮高級学校の生徒に「高校無償化」制度が適用されていないという差別的状況が一日も早く解消されることを訴えた。

慎吉雄校長は、大阪朝鮮学園と愛知の生徒、卒業生が訴訟(共に24日)を起こしたのに続き、東京でも訴訟を起こす計画があることを公表した。

(李炯辰)

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