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〈高校無償化〉朝鮮学校除外は人種差別、アムネスティ日本支部が声明発表

2013年01月11日 17:45 主要ニュース 民族教育

「高校無償化」制度から朝鮮学校が除外されている問題で、国際人権NGOアムネスティ・インターナショナル日本支部は10日、「拉致問題や外交関係上の問題、および朝鮮総聯との関係という政治的事情に基づいて、子どもの教育に対して差別的取り扱いをすることは許されない」「社会権規約第2条および第13条に違反し、人種差別撤廃条約が禁止する、民族的な出身に基づく『人種差別』にあたる」とし、朝鮮学校を制度の対象に含めるよう求める声明を発表した。

 複数の国際人権条約に違反

昨年12月、下村博文文部科学大臣は会見で、「拉致問題に進展がないこと、朝鮮総聯と密接な関係にあり、教育内容、人事、財政にその影響が及んでいることなどから、現時点では国民の理解が得られない」として、朝鮮学校を除外する方針を明らかにした。

これに基づき日本政府は、朝鮮学校への適用の根拠となる規定を省令から削除しようとしている。文部科学省が省令の「修正案」について、意見を公募している。

こうした動きに対し、アムネスティ・インターナショナル日本支部は、「政治的判断に基づき、特定のマイノリティ集団に対して教育の権利を制限することは、日本も批准している複数の国際人権条約に違反する差別的政策である」とし、強い懸念を表明した。

声明は、人種差別撤廃委員会が2010年に実施した日本審査の総括所見において、日本政府の朝鮮学校に対する差別的取り扱いに懸念が表明されたことに言及。「人権の保障は、『国民の理解』の有無にかかわらず履行しなければならない国家の重大な義務である。日本政府はむしろ、すべての人びとの人権が保障される社会の実現に向け、社会全体の理解を促進しなければならない」と指摘した。

声明全文はこちら

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