〈高校無償化〉オモニ代表らが要請、怒りの声
2012年10月24日 10:17 主要ニュース 民族教育「いつまで不当な審査続けるのか」
朝鮮学校への「高校無償化」制度の即時適用を求め、朝鮮学校全国オモニ会連絡会を代表し、東京、西東京、千葉、埼玉在住の同胞女性13人が23日、文部科学省を訪れ田中真紀子大臣に宛てた要請書を職員に手渡した。オモニ会の代表らは9月11日にも文科省を訪れ、要請書を提出している。
席上、東京朝鮮学校オモニ会連絡会の厳広子代表が要請書を読み上げた。
「高校無償化」法案が施行され2年半が経ち、その間、文部科学大臣は4人目を迎えた。昨年8月末の審査再開からすでに1年以上が経つが、その結果は一向に通知されていない。また、田中大臣は2年前、衆議院文部科学委員長として東京朝鮮中高級学校を訪問し、授業を参観、生徒たちとも会話を交わしている。
朝鮮学校は「高校無償化」制度の対象から除外されているばかりか、東京、大阪をはじめとする一部の地方自治体では教育補助金もストップしており、「給付なし、控除なし」の2重の税差別を受けている状態だ。
一方、日本政府は9月、高等教育の段階的無償化を求めた国際人権規約の条項の留保撤回を国連に通知し、受理されている。朝鮮学校に対する差別的状況を覆い隠したまま、国際社会に留保撤回をアピールしている。
要請書では、朝鮮学校の子どもたちだけを排除する社会的な「いじめ」と差別が続き、基本的人権さえも踏みにじられるのであれば、「法の場に訴えてでも、私たちの未来であり、宝である子どもたちを守っていかなければならないという思いが日々、強くっている」と強調した。
この日、対応にあたった文科省の担当者は、「厳正なる審査中」「その中身については言及できない」の一点張りで、具体的な内容を何一つ示さなかった。
代表らは9月の要請時とまったく同じ発言を繰り返す担当者に対し、「『審査中です』はもう聞き飽きた。そもそも審査を受けること自体が不当なのに、いつまで回答を避けるつもりか」「納得できる説明をしてほしい」「もう怒りを通りこしている状態だ」などと、憤りをあらわにした。
また「高校無償化」は子どもたちの問題であり、国が子どもたちを苦しめ差別していることを、文科省ははっきりと認識するべきだと指摘し、「制度適用を勝ち取るまでアクションを起こし続ける」など、一日も早い対応を求めた。
そのうえで代表らは、大臣、副大臣、政務官の政務三役への面会を要求した。
(朝鮮新報)