公式アカウント

ハルモニの声に耳を

2012年10月05日 10:15 春・夏・秋・冬

「軍による強制連行の証拠はない」。聞くたびに反吐が出る。日本政府は93年、強制連行には「甘言や強圧など本人の意思に反した事例」(「河野談話」)、「脅して、畏怖させて、本人の自由な意思に反して行われた場合」(内閣官房内閣外政審議室長国会答弁)が含まれると認めた。こうした見方は世界標準だ

春夏秋冬▼不思議なことに、拉致問題を「国家犯罪」に転嫁させて声高に断罪する者と、日本の過去の植民地支配を正当化し強制連行を否定する者が一致することが多い。人権や道徳の意識はなく、政治的悪意に満ちた政治家たちの「二枚舌」は、国際的な非難を浴びている

▼90年の参議院予算委員会で、日本政府は「慰安婦」問題について、「民間の業者が連れて歩いたもので、軍、政府は関与していない」と答弁した。これに対し、南朝鮮の金学順さんが「日本政府は嘘をついている」と初めて名乗り出た。日本の防衛研究所図書館から日本軍の関与を示す文書がみつかった。そして、「河野談話」に至った

▼冒頭の発言をした橋下大阪市長に対し、南朝鮮在住の被害者らが来日して面会を求めた。事前に日程が伝えられていたが、市長は「すれ違い」を巧妙に演出して面会を避け、被害者が帰国する直前になって「日程が合えば会いたい」と取り繕った。汚いメディア戦術。86歳のハルモニの生の証言に耳を傾ける勇気もない者の本性を見た。(天)

Facebook にシェア
LINEで送る