〈取材ノート〉記者になって半年
2012年10月05日 10:01 コラム今年の4月から記者活動をはじめ、すでに半年の月日が経った。4月に千葉・船橋での「関東大震災90周年に向けての学習会」を取材したのを皮切りに、東京・永田町での「関東大震災朝鮮人虐殺の国家責任を問う会第2回院内集会」、8月、東京・葛飾区で歌舞音楽集団・荒野座中央公演での劇「関東大震災~命ある限り~」、そして9月1日に行われた、船橋にある馬込霊園での「関東大震災89周年朝鮮人犠牲者追悼式」、9月9日に行われた「高津観音寺第29回合同慰霊祭」など、様々な現場を駆け回った。そして、長期にわたり事件の真相を追及してきた日本の市民たちと出会った。
その中で印象に残ったのは、若い世代の人たちがこの問題に真しに取り組む姿だった。その反面、自身、記者になるまでは、この問題に対してほとんど関心を持たず、無知であったことを痛感させられた。
彼らは、この事件を他人事の歴史としてではなく、まさしく、自分の問題として深く心に刻んでいた。そして「朝鮮人虐殺の事実を風化させてはならない。この事実を後世に残さないといけない」と献身的に取り組んでいた。
悲劇から来年は90年。事件の被害者と加害者の子孫が、その真相究明に今では一緒に取り組んでいる。そんな奇跡のような光景がこれからも続いてほしいと思った。
目指すは、日朝国交正常化。でも、その前に日本は過ちを認める勇気が必要だ。まだまだある。「従軍慰安婦」「強制連行」…目をそらしても、世界の良心は許してくれない。
時間はかかるだろうけど、忍耐強く闘っていきたい。(秀)