「教育と拉致は別問題」
2012年10月01日 10:57 春・夏・秋・冬茨城初中高への補助金支給を打ち切った茨城県水戸市の議会で、今度は「朝鮮学校補助金の全額支給停止を県に求める意見書」が賛成多数で可決された。理由は、「拉致問題の解決に対して誤ったメッセージとなりかねない」からだという。開いた口がふさがらない
▼拉致問題を理由に朝鮮学校補助金を打ち切ることは、そこに通う子どもや親たちに対するいじめにすぎない。朝・日政府間の予備会談が行われ、日本人遺骨問題が進展する一方、政治情勢の流れが読めず、人の痛みもわからない政治家たちが人権侵害を助長している。ちなみに水戸市議会では、米海兵隊「オスプレイ」の配備中止を求める意見書は否決された
▼同じく補助金が打ち切られた東北初中と同様に、茨城初中高は東日本大震災時、在日同胞だけでなく地域住民の避難所であり被災者救援の拠点でもあった。17年前の大震災被災地、兵庫県と神戸市は朝鮮学校の公益性を認め、兵庫朝鮮学園への補助金差し止めなどを求めた住民監査請求を棄却。毅然と対応した
▼北海道、兵庫などでは、拉致被害者支援を建て前にした団体のメンバーらが朝鮮学校への補助金差し止めを求め裁判まで起こしたが、ある拉致被害者家族はきっぱりと語る。「拉致を理由に朝鮮学校に補助金を出さないのは筋違い。教育と拉致は別問題だ」。水戸市議会の「反対少数」こそ日本の良心だ。(天)