日朝平壌宣言10周年で「神奈川県民の会」総会
2012年09月11日 14:25 主要ニュース「超党派の輪を広げよう」
日朝平壌宣言10周年を記念する「日朝国交正常化をすすめる神奈川県民の会第2回定期総会・県民講演会」(写真)が、8日、神奈川・横浜市の「かながわ県民センター」会議室で行われ、約100人が参加した。
同「県民の会」の原田章弘共同代表の司会ですすめられた総会では、伊藤成彦・中央大教授がまずあいさつに立ち、「まもなく平壌宣言10周年を迎えるが、日朝の和解は進まず、依然として抜本的解決のきざしがが見えない」と振り返った。そして、県民の会が今後、日朝国交正常化の県民運動をよりいっそう進めるため、超党派の輪を広げていこうと訴えた。
続いて総聯神奈川県本部の連帯メッセージを皮進・同本部副委員長が伝えた。メッセージは、「平壌宣言に記された原則を再確認し、日朝国交正常化に重くのしかかる制裁から新たな対話・交渉・和解そして信頼へと進むプロセスを築く真摯な行動が何よりも求められている」と指摘し、「県民の会が国交正常化を求める軸として、新たな日朝友好の礎を築いていくために、草の根運動を活発に繰り広げ、いっそう飛躍していってほしい」とエールを送った。
次に小原慎一・神奈川平和運動センター事務局長があいさつし、現在の日本の政治状況について、「国際間の紛争につながる領土問題をエスカレートさせるのは、平和憲法をもつ日本としてありえないことだ。日本は戦後すぐ、米国にだけ謝罪して、アジアの国々に対して謝罪を回避してきた。これが今も平和を脅かす禍根となっている。民主党政権がただ一つよいことをした無償化制度であったが、ここからも朝鮮学校を排除している。この問題をまず解決しなければならない」と述べた。
続いて8月に訪朝したばかりの原田章弘・共同代表、栗原広之・自治労横浜金沢支部長、坂内義子・キリスト者政治連盟委員長らが訪朝の印象を語った。原田氏は「平壌では日本の制裁の影響は全く感じなかった。社会も明るく、子どもたちは人懐っこく元気いっぱいだった」と述べ、栗原氏は「かつての日本の高度成長期のように、人々がガンガン働いて、モチベーションが高かった」と感想を述べた。坂内氏は「平壌では近代的で個性的な高層ビルが立ち並び、夜はライトアップされ、日本の大都会と大差ないと感じた。ただ節電モードで夜半は給湯制限があった。慣れたら不自由はなく、むしろ贅沢に慣れ、電気や水の使い放題の自身を反省させられた」と鮮烈な初訪朝の印象を語った。
総会の後、作家の柳美里さんと伊藤名誉教授が「日朝友好を求めてーピョンヤンで考えたこと」をテーマに対談し、参加者らに大きな感銘を与えた。
(朴日粉)