〈取材ノート〉朝鮮代表との夢のひととき
2012年09月05日 10:33 コラムU-20女子W杯に出場している朝鮮代表選手たちが活躍しているなか、朝鮮学校の女子生徒たち5人が代表チームの練習に参加した。初、中級部の生徒は学校の部活で、高級部の生徒はクラブチームにそれぞれ所属。中には9月から朝鮮学校に編入した生徒もいる。
ボール回しやランニングで共に汗を流しながら、代表選手たちと触れ合った生徒たち。選手たちは生徒たちを名前で呼び、生徒たちも「オンニ(姉)」と親しみを込めて呼ぶ。まるで、実の姉妹のような姿に関係者らが目を細めた。
今回、代表チーム側からは選手と同型のユニフォームがプレゼントされた。21人いる選手たちの後に続く22番から26番までの背番号、名前がプリントされた粋なはからいだった。
国家の代表選手と一緒にボールを蹴り汗を流すひと時は、夢のような時間だったと生徒たちは口をそろえた。世界で活躍する憧れの選手たちと体を動かし、ウリマルが飛び交う空間。一生のうち1度体験できるかどうかという稀有な体験。ある生徒はグラウンドが「ウリナラみたいだった」と息を弾ませた。
「最初はどきどきしたけど、(オンニたちが)普通に話してくれてほっとした」とも。
近い将来、女子W杯サッカーに女「安英学」、女「鄭大世」が在日の中から選ばれる可能性も十分ありうるだろう。
サッカーを通して、子どもたちと祖国との距離が、また、ぐっと縮まった。 (東)