話題呼ぶ朝中合作映画「平壌の約束」
2012年08月30日 13:25 共和国 主要ニュース朝中の若者の姿、スクリーンに
初の合作映画
朝中合作映画「平壌の約束」の試写会が平壌(6月27日)と北京(7月16日)で行われ、人々の大きな関心を集めた。朝鮮と中国が映画を合同で制作するのは、今回が初めて。
大マスゲームと芸術公演「アリラン」をテーマとした映画のあらすじは、中国のとある舞踊家が、平壌で出会った若き舞踊家の生きざまを通じて、その影響を受けていくというもの。朝中友好の伝統とともに、現代の両国の若者の間に共通する志向が生活感あふれるタッチでリアルに描かれている。
初の合作映画には、両国のシナリオ作家と俳優たちの想いと熱意、そして朝中の友好関係を継承していこうとする意思が込められている。8月からは朝鮮各地の映画館で上映され、話題を呼んでいる。
「アリラン」出演者が主人公に
朝鮮芸術映画撮影所と中国河南映画TV制作グループ有限公司(会社)が共同制作した映画「平壌の約束」は、朝鮮映画文学創作社の作家であるキム・チュンウォンさんと中国のファン・ダンさんがともに脚本を作り、朝鮮劇映画撮影所の演出家であるキム・ヒョンチョルさんと中国のシオルジャティ・ヤハプさんが演出を手がけた。
映画制作は、両国の演出家たちが意見を交換させながら、それを俳優たちに伝える作業からスタートした。互いに通訳を介してしか言葉は通じないものの、撮影が始まってからは演出家の意図を俳優たちが敏感に汲み取れるようになるなど、朝中の制作メンバー同士が徐々に打ち解けていったという。
演出を手がけたキムさんは「真実と美しさを描くことが映画制作で追求した共通の目的だった」と話す。中国の映画制作者たちとの共同作業の過程では、朝中人民が共に歩んだ過去の歴史についても改めて考えさせられたという。 主人公である「アリラン」の若い女性振り付け師、キム・ウンスン役を演じたキム・オクリムさんは、プロの女優ではなく万寿台芸術団の舞踊家で「アリラン」の実際の出演者。役柄を通じて祖国と人民に対する愛情を丹念に表現したキムさんの演技は、中国でも高い評価を得た。
映画には、中国側の求めに応じて妙香山と大同江果樹総合農場、万景台学生少年宮殿などでも撮影が行われ、人々の日常生活もキメ細かく盛り込まれている。
撮影にあらゆる国家的措置
映画「平壌の約束」の撮影が始まったのは昨年10月末。
「アリラン」が閉幕した後だったため、公演出演者は解散し、機材も会場のメーデースタジアムからすべて撤収されていたが、映画撮影に必要なあらゆる措置が取られた。「アリラン」の上演からチケット販売などすべてを取り仕切る国家準備委員会は、数万人におよぶ出演者を再び呼び集め、スタジアムに機材を設置。3000人余りの市民も公演を鑑賞するエキストラとして動員された。
演出家のキムさんによると、映画撮影のための国家的措置が取られた背景には、金正日総書記が昨年8月、朝中間で初となる合作映画の撮影条件を滞りなく保証するよう指示した経緯があるという。
キムさんは、朝中両国の文化交流史に新たな1ページを刻んだ今回の映画制作の成功に満足しているとしながら、今後も両国の人々の情緒と理念に合った映画を制作して、伝統的な朝中親善の発展に寄与していきたいと話した。
【平壌支局】