VIP待遇でゴルフ

全財産29万ウオン（約2万円）の男が国際競技も行われるようなゴルフ場で朝から晩までゴルフを楽しみ、食事はVIPルームで取った。しかも武装警護隊の警護を受けながらの厚遇であった。その男とは南朝鮮元大統領の全斗換だ

▼全斗換は大統領在任中に大企業から不正に巨額の金銭を受け取ったことで、2,205億ウオンを追徴されている。が、全財産は29万ウオンだと言い張り、1,672億ウオンの納付を拒否している。親族などにまだ多くの財産を隠し持っているという疑いが持たれている

▼全斗換は「内乱罪」で処罰された身だ。朴正煕暗殺事件直後の1979年12月12日に粛軍クーデターを起こした。80年5月には光州での民主化要求デモを武力で鎮圧。多くの犠牲者を出した。一度は死刑判決まで受けている

▼「豪華ゴルフ」の事実が14日に明るみになり政界、メディアから批判が噴出している。ネット上には、独裁時代に回帰したと勘違いするな、などという書き込みが相次いでいる。一方野党議員らは、不正蓄財されたと見なされる親族の財産を徴収できる法案や反国家犯罪を犯した者の国葬を制限する法案を発議。法案の対象には全斗換と共にいずれも盧泰愚の名もあがっている。ついでに今の大統領の名も入れていまえば、と思う。早くも実兄と側近が不正蓄財の嫌疑で調査されている。罪多き彼への法的処分もまた、時間の問題だ。（進）