朴槿恵の「過去」
2012年06月18日 13:10 春・夏・秋・冬10年前、ミニ政党「韓国未来連合」の立ち上げを準備していた朴槿恵氏の平壌訪問を取材した。南に帰る直前、金正日総書記との記念写真を関係者から受け取った時の「笑顔」が印象に残っている。現在、彼女は与党で次期大統領最有力候補と目されている。
▼最近、北側の論調は朴槿恵批判に傾いている。祖国平和統一委員会は、訪北当時の言動を「公開することができる」と警告する文書を発表した。民主改革勢力に「従北主義者」のレッテルを張り、攻撃する悪質な「マッカーシズム」の扇動者を演じているためだ。
▼文書では、朴氏以外の「訪北経験者」も名指しされた。与党内で大統領選挙への立候補を目指す彼らは、一様に「北の不当な選挙介入」だと反発した。朴氏は「公開するものがあるなら、すればいい」と開き直った。「わたしが、北と対話・協力しようとしたのと、いまの従北騒動は次元が違う」と強弁した。
▼説得力のない苦しい弁明だ。与党は、選挙で対峙する野党のイメージダウンを狙うあまり、6.15共同宣言に沿って統一を主張した人々を「従北」だと罵倒しまくっている。それは現政権と同じく民族対決を追求すると宣言するに等しい。朴氏の「過去」が示すように、北南の対話と協力は避けて通れない道だ。大統領選を前に、破綻した李明博路線を踏襲すると明かしてしまうのは、墓穴を掘るようなものだ。(永)