異常気象
2012年05月31日 13:05 春・夏・秋・冬朝鮮の西海岸地域全般が「50年ぶり」(朝鮮中央通信)の大干ばつに見舞われている。4月26日から30日間の降水量は平壌で2mm、平安北道新義州で1mm、黄海北道沙里院にいたっては0mmだったという。穀倉地帯が集中している地方での干ばつだけになおさら心配だ
▼近年朝鮮では異常気象が顕著だ。昨年の夏、西海岸地域では豪雨、東海岸地域では冷害に見舞われた。そして冬には「35年ぶり」(同上)となる極寒が朝鮮各地を襲った。冬季の降水量は平年の約半分。これも響き、より深刻だ。干ばつは6月上旬まで続くと予報されている
▼干ばつについては、日本の気象庁にあたる気象水文局が3月29日の時点で警鐘を鳴らしていた。節水や揚水設備の整備などに努めてきた。限度はあるものの、早くから対策を立てることで被害は最小化できる。例えば米国でのエルニーニョ対策だ。予報がまったくできなかった82年には13億$の穀物被害があったが、数カ月前に予報できるようになった最近は、植える作物を雨に強いものに変更するなどで損失を最小限に抑えているという
▼各地域に何時から何時までどれだけの雨が降るのか正確に予測できれば、農場員の作業配置を効率的に計画でき、対策も具体的に立てられる。異常気象の難題を抱える朝鮮。人工衛星の打ち上げを成功させて気象衛星を保有するのは焦眉の課題である。(進)