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国立博物館に朝鮮文化財4,422点

2012年05月01日 13:40 主要ニュース 文化・歴史

慧門師らが会見

日本に略奪された「朝鮮王朝儀軌」などの文化財還収において中心的役割を果たした、南朝鮮の慧門師と「文化財還収委員会(庚鉢仙薦切軒達奄)」共同代表の李尚根氏、東京朝鮮人強制連行真相調査団の李一満事務局長が4月23日、東京・永田町の衆議院第2議員会館で、文化庁関係者および独立行政法人国立文化財機構役員らと会見した(写真、中央が慧門師)。席上一行は、国立博物館に所蔵されている朝鮮半島由来の文化財について質した。日本共産党の笠井亮衆院議員が同席した。

国立文化財機構の竹之内勝典氏によると、日本の東京・京都・奈良・九州4つの国立博物館に所蔵されている朝鮮半島由来の文化財(※東京国立博物館は小倉コレクションを除く)は、絵画・書籍・彫刻・金工・陶磁・漆工・染織・考古・土俗で、その数4,422点に及ぶという。

今回、東京国立博物館の収蔵目録に含まれなかった小倉コレクションは、1911年、大邱電気株式会社を設立し社長となった小倉武之助(1870~1964)が、1921年頃から収集し始めた先史時代から近世に及ぶ朝鮮美術品の大コレクション。敗戦後、財団法人小倉コレクション保存会を設立し、1981年に東京国立博物館に寄贈された。慧門師は、小倉コレクションに朝鮮王朝26代王である高宗の遺品が含まれていると指摘。師が注目した、①竜鳳紋の入った鎧と兜②翼善冠③金銅製印の3点は、小倉自身が手記の中でも触れている。

日本側は、それらについて、「王家のものと認識しているが、専門家が別にいるため、誰のものかまでは断言できない」と話した。

一般的に博物館には盗品などの展示は禁止されている。日本側は、小倉コレクションについて「正当な民間人からの寄贈と捉えている。遺族から寄贈される前の経緯については認知していない」と語った。

師の話によると、朝鮮王の鎧や兜などは、本国でも展示されたことがない国宝級の品だと言う。今後、個別の閲覧や企画展などを通した公開、貸し出し展示などの可能性も話し合われたが、まずは確認するために特別観覧を要請、近々実現される。(潤)

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