〈取材ノート〉「オッケチュム」
2012年05月24日 09:57 コラム13日、横浜市市民文化会館関内ホールで行われた金日成主席生誕100周年を祝う「神奈川同胞芸術祝祭~温かい愛情の中で~」には、1,200人の同胞たちが集まった。
舞台に立った出演者も観客も皆、笑顔に満ち溢れていた。演目中、とくに印象的だったのが、3世代大合唱「故郷の春」。1世から幼稚園児までがチョゴリを身にまとい、朝鮮の歌を歌った。
その舞台で母と手をつなぎ楽しく歌を歌う園児を見た時、自分が初級部2年の時にチョゴリを着て、母と踊った記憶がよみがえってきた。15年前に行われた女性同盟結成50周年記念「神奈川同胞女性舞踏会~異国の空の下で~」でのことだ。2,500人が集まり、朝鮮のチャンダンと音楽に合わせて踊りの輪が広がった。
家に帰り、昔のアルバムから取り出したその時の写真を片手に、幼稚園以来の親友に電話をかけた。親友も懐かしそうに、「あの時、ハルモニやオモニの『オッケチュム』を見て、朝鮮の踊りが好きになったんだよね」と語った。8歳から始めた朝鮮舞踊もそれがきっかけだった。
この日の祝祭に参加したある幼稚園の先生は「園児たちが大人になった時、同胞たちと過ごした今日を思い出してくれれば…。同胞の温かさ、1世たちの思いを幼い園児たちがおぼろげながらにも感じる祝祭にしたい」と話した。
同胞たちの支えによって脈々と受け継がれてきた文化芸術イベント。今、記者としてもう一度この場に立てたのも、そうした縁があったからこそ。この日、舞台から流れるチャンダンを聞きながら、自然と「オッケチュム」が出た。(華)