〈取材ノート〉総聯メディアの役割
2012年03月26日 10:39 コラム先月28日朝、警視庁公安部は総聯の傘下団体を強制捜索した。職場がある朝鮮出版会館は多数の警官に取り囲まれ、後輩記者(女性、20代)が機動隊と向き合って抗議し、その姿を撮影しようと日本の記者たちが群がった。
日本の記者たちは、記事や映像を速報した。そのニュースを見た知り合いからは、「総聯がなにか悪いことをしたように報道されているけど、真相は?」などと問い合わせがきた。その対応で携帯電話の充電量は、どんどん減っていった。
ほとんどの同胞に届くのは、日本のメディアの情報だ。不当捜索の事実を暴いた報道に触れる機会自体が少ない。被害者が記者会見を開き、捜索の不当性をアピールしても、日本のメディアはそれを伝えない。捜索の間、携帯電話を使い動画を各地に配信する関係者もいたが、それは限られた人々にしか伝わらない。
地域に住んでいる在日同胞に「しっかりとした情報」が行き届かない。反総聯報道に惑わされ、支部などが催す行事にも行かなくなった同胞が少なくない。メディアと癒着した当局の思うつぼだ。
総聯メディアの役割がいつになく高まっている。同胞の目と耳に同胞社会のニュースをしっかり届けなければいけない。本紙編集局では多様化するネット社会のニーズに対応した事業計画を進めている。同胞社会のあらゆる情報を集積、整理、発信する総合サイトを視野に入れている。
事実を正確に、迅速に伝える――。この基本に立って同胞の声を幅広く集め、真実を同胞に届ける。それを新しい形で実現したい。「同胞の集い」の参加者も増やしていきたい。(東)