2012/02/17
2012年02月17日 15:48 春・夏・秋・冬1992年7月に訪朝した関西棋院のあるプロ棋士は、「丁寧なおもてなしを受けたことと、冷麺がおいしかったことを覚えている」と振り返る。そのプロ棋士は、朝鮮のアマチュア囲碁全国大会に招待され、大会で優勝した少年、少女を相手に指導碁を打った。「荒削りの碁に大きな可能性を感じた」
▼本紙編集局に先日、このようなプロ棋士のエッセーが載った記念誌が大阪朝鮮囲碁協会会長から寄せられた。同協会結成20周年に際して発行したもので、1991年5月結成当時から昨年までの20年間、同協会が歩んできた道のりが記されている
▼第1回ワンコリア大阪囲碁大会開催にあたっての裏話も紹介されている。同協会は、民団系の囲碁愛好家たちと思想や所属団体の違いを超えて組織的な交流を定期的に行うことにし、初となる大会を1994年7月17日に開催することにした。ところが、金日成主席の逝去という訃報があった。共催相手側に大会の延期を申し込むと、「あなたたちが尊敬する方が亡くなられた。思想、団体に関係なく深い哀悼の意を表す」としながら、快く受け入れてくれたという。こうして大会は8月7日に盛大に行われた
▼当時、北と南が弔問問題をめぐって激しく対立していたことを思うと画期的な出来事だった。大会はそれから毎年行われている。引き続き北南、朝・日の前進に努めてくれることを望む。(進)