〈取材ノート〉身近なものほど大切に
2012年01月16日 11:06 コラムとある取材先で南朝鮮の市民団体「モンダンヨンピル」の関係者と話す機会があった。
東日本大震災で被災した朝鮮学校を支援するために結成された「モンダンヨンピル」は、南朝鮮の各地でウリハッキョを紹介する公演を行いながら募金をつのっている。昨年12月3日には、東京都大田区で開かれた「朝鮮学校に教育保障を!全国集会」にも参加した。
彼らは筆者に、ウリハッキョに通う子どもたちと在日同胞たちに出会って、異国の地で民族の誇りを守る大切さを学んだと語った。
それを聞き、ウリハッキョの大切さに改めて気づかされた。
身近なものほどその大切さを忘れがちだ。
ウリハッキョに通っていた頃は、「日本の学校とはちょっと違う学校」かなという感覚もあった。今も身近な場所で生きているからか気づかないことがある。しかし、「モンダンヨンピル」をはじめ南の市民や日本市民、あるいは同胞社会とはなれて暮らす同胞たちがウリハッキョを評価する声を聞くと、新鮮に感じることができる。
民族教育の現場、ウリハッキョで生き生きと学ぶ子どもたちの姿を南の人々に知らせ続ける「モンダンヨンピル」。卒業生である自分が彼らに負けてはいられない。
昨年春に入社し、もうすぐ一年を迎える。これからも人々の声に耳を傾けて、そこで気づいた大切なものをしっかり伝えていけるようにがんばりたい。(辰)