〈食のはなし 8〉旬の魅力/四季折々の美味しい食材
2009年09月25日 11:37 主要ニュース旬とは、食材が他の時期よりも新鮮でおいしく食べられることを指す。また収穫量が多く、店頭を賑わし、値段も安い。植物や果実でたとえて言うと色、形、香りすべてが最高の時である。動物たちはこの鮮やかな色と香りにひきよせられるようにそこへ集まる。とかく植物や果実は色や香りでアピールし、動物たちに食べてもらって種子をさまざまな所に運んでもらい子孫を残す。そこには植物たちの生殖戦略が潜んでいるのだ。
魚介類では産卵期前が旬に値する。産卵期は体を張って卵を守り栄養を常に与えなくてはいけない。そのため魚介類は、多くのエネルギーを効率のいい「脂」として蓄えている。すなわち、旬の魚は脂がのっているためおいしいのだ。まさに旬とは、動植物にとって子孫を次世代に確実に残すための重要な時期に値するといえよう。