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金日成綜合大現役留学生が語る“平壌”

2019年03月15日 14:56 共和国

“会いたい人がいる場所”

上海で出会い、オーストラリアで共に学び、平壌で結婚式を挙げ、日本に暮らす。そんな異色ともいえるユニークな経歴を持つ夫婦がいる。オーストラリア人のアレック・シグレさん(Alek Sigley、29)と日本人の森永友果さん(26)。朝鮮旅行専門の旅行代理店トンイル・ツアーの代表であり、金日成綜合大学の現役留学生でもあるアレックさんと、その活動に寄り添う友果さんがこれまで見てきたありのままの平壌、その魅力についてたっぷり語ってもらった。

平壌での結婚式の様子(アレックさん提供)

自転車でグルメツアー

1月末、都内某所。待ち合わせ場所に仲良く「ソナム」のリュックを背負って現れたアレックさんと友果さん。「ソナム」は平壌でメジャーなかばんブランドだ。聞けば朝鮮の大学生らに国から支給されるものと同じデザインで、アレックさんが平壌第1百貨店で買ったという。

友果さん(写真左)とアレックさん。「ソナム」のリュックと一緒に

アレックさんは2017年4月から金日成綜合大学で現代朝鮮文学を専攻している。1年の半分程度を朝鮮で過ごし、友香さんのいる日本、両親の住む母国オーストラリアを行き来する生活だ。

講義は毎日午後からで、それ以外の時間は自習に費やす。寄宿舎1階のコンピュータ室ではインターネットも自由に利用できる。執筆中の修士論文のテーマは「若者たちの恋愛を描いた現代朝鮮文学のいくつかの特徴に対する考察」で、「作品を通して見えてきたのは集団主義が色濃く反映された恋愛観。西欧におけるそれとは一線を画す」とアレックさん。アウトサイダーならではの着眼点だ。

寄宿舎で留学生たちと(アレックさん提供)

金日成綜合大学の留学生の寄宿舎。アレックさんの部屋(アレックさん提供)

余暇の過ごし方はもっぱらご当地グルメ巡り。カナダとスウェーデンからの留学生と3人で週に2、3度、穴場のレストランを開拓するのが楽しみだという。「インターネットで検索できない分、冒険気分を味わえるし自分で見つけ出す喜びもある」。おすすめは黎明通りの「龍北商店」の牛バラ肉炒めだとか。

朝鮮では通常、外国からの訪問者に対してはガイド役が外出時に同行するが、アレックさんたち留学生は単独行動ができる。公共交通機関の利用も可能だ。移動は自転車か地下鉄が多いと言いながら、財布から平壌地下鉄のICカードを取り出して見せてくれた。

15回の訪朝歴を持つアレックさん。金日成綜合大学への留学は念願だったという。そのわけはアレックさんと朝鮮との出会いにあった。

11年、上海大学在学中のこと。同大学には朝鮮からの留学生も在籍していた。「彼らは自国に対してとても強い自負心を持っていた。寮の自室のドアには朝鮮国旗の小さなステッカーが貼ってあったが、そんなことをしていたのは留学生の中で彼らだけだった」。

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