〈関東大震災93周年〉“私たちは隠蔽された歴史の中に生きている”/神奈川・久保山墓地
2016年09月07日 13:16 歴史「関東大震災朝鮮人虐殺93年神奈川追悼会」(主催・関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会)が3日、神奈川県横浜市の久保山墓地で行われた。
総聯中央の陳吉相権利福祉局長、朝鮮人強制連行真相調査団の河秀光事務局長、総聯神奈川県本部の李栄勲委員長、神奈川中高生徒をはじめとする同胞、日本市民ら約150人が参加した。
記憶し、継承する
震災当時、久保山で電信柱に縛り付けられ殺害されていた朝鮮人を目撃した故・石橋大司さんが「日本人として決して忘れてはならぬ歴史的事実を残したい」と1974年に私財を投じて建立した「関東大震災殉難朝鮮人慰霊之碑」。その碑の前で行われる追悼会は今年で4回目を迎えた。
関東大震災時、約6000人とされる犠牲者のうち、半数以上にのぼる約4000人の朝鮮人が虐殺されたこの横浜の地では、犠牲者を追悼するにとどまらない、記憶し、継承する試みが市民たちの手で行われている。
毎年、参加者に震災時の虐殺の事実を伝えようと実行委員らによって行われる「呼びかけ」。「伝えよう 知らせよう 隠蔽の歴史」と題して行われた今年の「呼びかけ」では、参加者らが虐殺を目撃した証言者になりきり、隠蔽された歴史を伝えた。故・石橋大司さんの証言からはじまり、横浜各地の虐殺場面を証言する実行委員。残暑の日差しが照り付ける中、参加者たちは「呼びかけ」にじっと耳を傾ける。「呼びかけ」では証言とともに、その虐殺が「戦争状態の伏流した植民地支配」の延長戦にあったことが述べられた。「私たちは、朝鮮人虐殺の事実を明らかにしていくと同時に、在日コリアンに対する差別に対して、闘います。共生の未来へ向けて」という山本すみ子代表の呼びかけで、実行委と参加者は共に「アリラン」を合唱。共生を願う参加者の歌声が久保山墓地に響き渡った。