公式アカウント

〈第36回コマチュック〉波乱に満ちた大会、大雨のため3日目延期

2014年08月09日 13:29 スポーツ

「第36回在日朝鮮初級学校中央サッカー大会(コマチュック大会)」(主催=在日本朝鮮人サッカー協会、主管=在日本朝鮮人大阪府サッカー協会)が7~9日にかけて、大阪・堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンターで行われた。大会3日目は台風による大雨の影響もあり、主催者側が試合不可能と判断。コマチュック史上初めて、優勝チームが出ないまま3日間の大会の日程を終えることとなった。なお、主催者側と各学校が協議を行い、後日改めて今大会の期間中に行われなかった試合などの予定が発表される。

白熱した試合を繰り広げた選手たち

白熱した試合を繰り広げた選手たち

今大会には、本選部門に34チーム、育成部門に27チームが出場。本選部門では、3連覇を目指す東京第1初中や、その東京第1初中を関東予選で破った西東京第1初中など、関東勢に大きな注目が集まっていたが、ふたを開けてみると地元の大阪勢が躍進。ベスト4には生野初級ㄱ、城北初級、大阪第4初級などが進出し、近年続いていた「西低東高」の勢力図を塗り変える形となった。

準決勝までの戦績を見ると、生野初級ㄱは4試合を10得点、0失点で全勝、城北初級は14得点1失点で全勝と、それぞれ磐石な戦いぶり。大阪第4初級は接戦を制する勝負強さで、地域予選を1位で突破した西神戸初級、前回大会の準優勝校、京都初級を退けた。

その大阪勢に割って入り、大きな驚きをもたらしたのが、茨城、群馬、栃木、北海道、東北、福島、新潟などの初級学校による合同チーム、セッピョルだ。昨年の育成部門で3位に輝いた選手たちが中心となったチームは、初日目に東大阪初級ㄱに0-1で敗れたものの、他の2試合でそれぞれ5-0と爆発。各グループ2位の中から最も成績が良かった1チームのみに与えられる、決勝トーナメント行きのキップを勝ち取った。

セッピョルは2日目の初戦で西播ㄱと1ー1で引き分け、準決勝進出に暗雲がたちこめたが、選手たちはあきらめなかった。次なる相手は優勝候補筆頭と目されていた西東京第1。準決勝に勝ち上がるためには勝利が最低条件となっていたセッピョルは、前半から果敢に攻め込み、ロングシュート2発を決め3-0で快心の勝利を収めた。

一方、育成部門では埼玉、横浜、クムガン(静岡、長野、北陸)、生野の4チームが準決勝に進出した。

今大会の開会式には総聯大阪府本部の夫永旭委員長をはじめとした多くの来賓たちが参加。会場には各地からたくさんの保護者や同胞たちが駆けつけ、選手たちに熱い声援を送っていた。また朝青員、朝大生、朝大サッカー部、医協のメンバーたちも大会をサポート。和歌山初中関係者が運営した売店も同胞たちから好評で、大会の盛り上がりに花を添えた。大阪府青商会からは全ての学校に飲料水が贈られた。

開会式であいさつした在日本朝鮮人サッカー協会の姜泰龍副会長は、選手たちが目標を高く持ち続け、将来は朝鮮代表として活躍し、世界の舞台に羽ばたいてくれることを願っていると語った。

(文・李永徳、写真・李哲史)

Facebook にシェア
LINEで送る