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京都朝鮮歌舞団「シアッ~The seeds~」/和太鼓、三味線、オカリナ 多彩なコラボ

2013年04月24日 10:31 文化・歴史

〝ウリハッキョは原点〟

京都朝鮮歌舞団が主催したウリハッキョチャリティーコンサート「シアッ~The seeds~」が19日、ALTI(京都市)で行われた。公演を、総聯京都府本部金學福委員長、在日本朝鮮文学芸術家同盟京都支部の金由美委員長、合唱団京都エコーの指揮者であり全日本合唱連盟の浅井敬壹理事長をはじめ、京都府を中心とした近畿地方の同胞、日本市民ら約400人が鑑賞した。

フィナーレ「民謡メドレー」

重唱「Song of Korea」でスタートした舞台では続いて、抗日民族詩人・尹東柱の「序詩」を朗読。独唱「鳳仙花」「リムジンガン」、重唱「子どもたちよ、これがわれらの学校だ」なども披露された。

この日、大阪朝鮮歌舞団、兵庫朝鮮歌舞団メンバーたちも出演。2人舞「巫女の舞」(振付-朝鮮民主主義人民共和国人民芸術家、金剛山歌劇団の康秀奈按舞家)、混成重唱「ウリハッキョは私たちの未来」は作曲者である兵庫朝鮮歌舞団の韓将植事務局長も舞台に上がり、京都朝鮮歌舞団の晴れ舞台に花を添えた。

また、和太鼓と三味線奏者の山内利一さん、オカリナ奏者の徐香淑さん、エレクトーン奏者の田凰諭さん、ピアニストの柳原由佳さんとの多彩なコラボも聴衆たちの注目を集めた。

カヤグムと三味線による「出鋼」、オカリナ独奏「かごめかごめ」、和太鼓のリズムに合わせて披露された「サンモノリ」もあった。

フィナーレの民謡メドレーでは出演者たちも客席に降り、観客たちと共にオッケチュムを踊るなど、普段の歌舞団の公演らしいチュンパン(踊りの輪)が広がった。観客、出演者が一体となった会場は終始笑顔と拍手であふれた。

京都市からきた金永美さん(53)は、4人のチームワークが魅せた期待以上の公演に心から感動したという。「技術向上、演出の面でもたくさん勉強したことがわかる。どこで公演しても恥ずかしくない、京都の自慢の歌舞団だ」と自慢げに話した。

朝青右京支部の朴賢憲委員長(34)は、「今やらなきゃいけないことを、自分たちにしかできないやり方で見事にやってのけた。今も朝鮮の歌を歌いたい、踊りを踊りたいと思うのは、ウリハッキョがあったから。自分たちの原点を歌舞団たちが改めて教えてくれた気がした」と話した。

また、京都市の佐伯幽さんは「ちまたにあふれる単なる娯楽とは違い、

信念ある芸術に、誇り高き文化に、胸打たれた夜だった。今まで知らなかった自分を恥じ、また、私のような者にも、まっすぐな情熱をもって伝えてくれた歌舞団のみなさんに心から感謝したい」との感想を寄せた。

多くの人に発信

京都朝鮮歌舞団は4人の女性歌手で構成されている。同歌舞団の自主公演は、2010年に行われた同歌舞団結成45周年記念公演以来、現メンバーらでは2度目となった。京都府下専従活動家、教員、同胞らの協力を受けながらチケットを販売、宣伝活動に力を入れた。歌だけでなく、カヤグム、チャンゴなどの打楽器、サンモも取り入れ、より多彩な演目を披露しようと夜遅くまで何度も繰り返し練習を重ねてきた。何よりも、少しでも京都、滋賀のウリハッキョの力になれればという一心で、この日までひたむきに走り続けた。

今年の4月1日に入団し、3週間にも満たないうちに大きな舞台に立つこととなった新人団員の朴志紅さん(20)は、「わからないことも多かったが、今回の舞台に立ったことで『歌舞団』の団員という自覚を改めて感じた。今後はさらなる技術向上に向けてまい進したい」と話した。

姜侑里団長は、課題も多いが、今後のステップアップに向けた自信がついたとしながら「同胞のそばに寄り添いながら、日本の人たちとも手を取り合って、自分たちのことをもっと多くの人たちに発信していくことで、これからもウリハッキョを守っていければ」と語った。

公演の収益金はすべて、京都府下朝鮮学校と滋賀朝鮮初級学校に寄付される。

(尹梨奈)

 

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