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「脱北者」の大多数は被害者

2013年01月29日 19:59 朝鮮半島

組織化された南の誘引策

【平壌発=鄭茂憲】「南朝鮮に行った人々の中には朝鮮で罪を犯して逃げた者もいるが、ほとんどは誘引、懐柔されて南朝鮮に連れて行かれた人々である」

中国に不法越境して南朝鮮に連れて行かれ、昨年末に祖国に帰ってきたキム・グァンホ、キム・オクシルさん夫婦とコ・ギョンフィさんの記者会見(24日)では、南朝鮮当局の画策の下で北側の住民を誘引する仲買人の懐柔策が再び明らかになった。証言によると、仲買人は南朝鮮や第3国に行けば良い暮らしができると騙し、甘言を弄しながら、北側の住民を南に連れて行くのだという。

記者会見の様子

「完全に騙された」

コ・ギョンフィさんは生活苦のため2011年3月に中国に不法越境した。だが、決して南朝鮮に行こうとして家を出たのではなく、「完全に騙されて連れて行かれた」という。

中国・瀋陽で知り合ったホ社長という人物が、金儲けを助けてやると言いながらコさんを北京に連れて行った。いざ北京に着いてからは、「言語が異なり仕事が見つかりにくい」「統制が厳しくなった」としながら、仕方がないので南朝鮮に行こう、と言ってきたという。

南朝鮮行きを勧められて怖くなったコさんは、中国にとどまってお金を稼ぐことができないかと懇願したところ、ホ社長は「カナダに行け」と指示した。カナダに行けば、南朝鮮で働くよりも稼ぎが良いし、カナダ国籍さえ取得すれば故郷にも戻れると言いながら、これ以上支援することはできない、カナダに行くのも嫌なら、一人で家に戻れと脅してきたという。

さらに、ホ社長はカナダに行くのであればまずタイに行かなければならないと言いながら、ある女性を紹介した。そして、保証金契約書に判を押すようコさんに促した。その後コさんはその女性に連れられて中国・昆明を経て、タイ・バンコクにある「難民収容所」に行くことになる。そこでようやく騙されたことに気づいたという。

左から、コ・ギョンフィさん、キム・グァンホさん、キム・オクシルさん

コさんによると、ホ社長も女性も当局と結託して、北側の住民を南朝鮮に連れて行くことを専門にしているという。

一方、キム・グァンホさんは、南朝鮮当局は北側の住民を連れて行く工作のために莫大なカネを注いでおり、脱北ビジネスが横行するなど「完全に組織化、職業化、専門化」していると話した。また、「脱北者」とは、「反朝鮮人権騒動の犠牲者、被害者」であると証言した。

利用される「脱北者」

キム・グァンホさんは南朝鮮で「脱北者」を利用して「天安」号事件が北の仕業だと世論化しようとするなど、反北対決策動が強行されていると述べた。

コ・ギョンフイさんの話によると南朝鮮当局は、「脱北者」たちを通じて北側の経済状況や国家機関の所在をはじめとする機密の収集にも熱を上げているという。

コさんは、「ハナ院」(「脱北者」たちの臨時管理施設)に閉じ込められている時、南朝鮮の統一部から訪ねてきたという人物と接触した。その人物は、北側にいるコさんの兄が住民登録部門で仕事をしている事実を知るやいなや、「中国に行って兄と連絡を取り、兄が使うコンピューターのハードディスクを持って来い」と話し、パスポートも旅費も準備する、それさえ持ってくれば大金を差し出すなどと話したという。また、南朝鮮では大金と引き換えに朝鮮労働党の党員証と北側のフィルムを要求されると話した。

(朝鮮新報)

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