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〈独島問題とは何か -上-〉サンフランシスコ条約口実に「領有」主張

「韓日条約」でも棚上げ

館長の問題提起

京畿道水原市在住の李鍾学氏(独島博物館前館長)は、今年の春、「1910年韓国強占資料集」を出して、寺内正毅総督の秘密報告「韓国併合始末」をはじめとする重要資料などを公開して、日本の朝鮮侵略問題で新たな問題提起をしたが、この8月末、李氏はまたも「日本の独島政策資料集」を刊行した。

扱われた資料は1993年から2000年3月末までの、日本の衆議院、参議院の議事録と、島根県議会議事録の中から独島(竹島)問題を抜粋したものである。

日本による独島(竹島)「領有」は、百年近く前の1905(明治38)年なのになぜ、ごく最近の議事録か、という疑問を持たれる向きもあろう。よって、この資料集の内容紹介をする前に、順序としてこの項では、独島問題とは何か、ということを要約的に述べたいが、何しろこの問題については専門的な研究書、研究論文もいくつか出ていて、この小文では到底意を尽くせない面もある、ということをあらかじめ了承願いたい。

日本に領有権なし

独島は東海のほぼ中央部にあって、2つの主島と数個の岩礁からなっている総面積約7万坪の小島である。朝鮮の欝陵島からは49海里(1海里=1,852キロメートル)、日本の隠岐(おき)島からは86海里の所にある。古来、欝陵島の属島とされているこの島について、日本は不法にも島根県に編入したことがあるが、日本との間にいわゆる「領有権問題」が起こったのは解放(日本敗戦)後のことである。

第2次大戦の終結によって日本全土と朝鮮南半部は米国を主力とする連合国の占領下に置かれたが、連合国総司令部は1946年1月29日付で日本政府に対して覚書を発し、日本の行政領域の範囲を定めた。この時、朝鮮関連の島としては欝陵島、独島(竹島)、済州島などが日本の行政権外とされた。つまり、この時点で連合国総司令部は独島に日本の行政権は及ばない、としたのである。

そのうえ同年6月、米国は「マッカーサー・ライン」を設定したが、この時も独島は日本の操業区域外に置かれた。この「マッカーサー・ライン」は1952年4月25日に廃止されるが、その3ヵ月前にこのラインをほぼ引きついだ形のいわゆる「李承晩ライン」が設定される。

そして同年4月28日、対日講和条約たるサンフランシスコ条約が発効するが、この条約の「第2章・領域」の項の第2条(a)は「日本国は、朝鮮の独立を承認して、済州島、巨文島及び欝陵島を含む朝鮮に対するすべての権利、権限及び請求権を放棄する」となっていた。ここには独島(竹島)の名は入っていない。これにより日本は、「竹島」に触れなかったのは、1910年の「韓国併合条約」以前の1905年に「竹島」が島根県に編入されて、日本が領有した島だからだとして、日本の「竹島」領有権をより強硬に主張しはじめるのである。だからといって日本が独島を実効支配したことは戦後、1度もない。

ところで米国は、早くから独島を空軍爆撃演習地に指定し、爆撃を実施していたが、1948年6月には米軍機の爆撃演習によって独島で漁業に従事していた南側漁民16人の死亡および行方不明者と重軽傷者6人を出すという事件が起きた。

にもかかわらず米国は、講和条約発効後も独島を爆撃演習地にする希望を捨てず、日本と協議して独島を継続して演習地にすることを確保する。だが、1953年3月19日、日米合同委員会で「竹島」を爆撃演習地から除くことになる。

日本はこの事実をもって、「米国が竹島を日本領土と認めた」と声高にいうが、これは全く逆で、爆撃演習地から独島を除外したのは李承晩「政権」の抗議でそうなったのであり、米国はそのことをまず南当局に通告し(1952年春)、その後で日本政府に通告したものである。

米国も荷担

このように独島の領有権をめぐっては、同島に関する問題が起きるたびに日本当局と南側当局との間に、抗議、口上書などが幾度か発せられるが、一方、米国の独島政策を仔細にみるに、植民地統治の神髄たる分割統治方式の具現のように思われる。

ここで指摘しなければならない問題は、1965年のいわゆる「韓日条約」妥結の折、両全権間の交換公文によって、独島をめぐる紛争は外交的に「両国政府が合意する手続に従い調停によって解決を図る」とされ、いわば棚上げにされ、問題が先送りされたことである。これが今日まで尾を引いて、日本国会でも「竹島、これは今韓国に占領されている……これは紛れもない侵略ですよ」(1995年3月10日、衆議院地方行政委員会、「日本の独島政策資料集」所収)という論議が交わされている始末である。

これは何も衆議院だけでなく、参議院でも、そして「竹島」は島根県の管轄下にある、とする島根県議会においても激しく議論されているのである。

(琴秉洞、朝鮮大学校講師)

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