〈朝鮮と日本の詩人 33〉斉藤怘
2007年07月30日 00:00
子どもの遊び奪う酷薄さ 美濃紙に古銭をつつみ 両はしを穴に通し羽根をつくる オンドルは心地よくあたたまり 窓にとおく冬の海が見えていた
〈朝鮮と日本の詩人 30〉なべくらますみ
2007年06月07日 00:00
手の中にある一個の林檎 あおいばかりの 冷たかった肌が 少しずつ体温に近くなる 歯を当てると ほとばしる酸っぱさ
〈朝鮮と日本の詩人 29〉結城哀草果(ゆうきあいそうか)
2007年05月17日 00:00
世界平和の為六十年前昇りし太陽常若く今朝も輝く金日成首相 金日成首相の還暦よろこぶ歌合唱が世界の山河大きくゆすぶる 還暦の首相の額なごましく民族愛に蔭一つなし 民族愛日本に及び朝鮮大学の明るき設備見る…
〈朝鮮と日本の詩人 28〉真壁仁
2007年04月18日 00:00
白頭の峰は雪にかがやき けだかい白銀の頭を 三千里江山にめぐらしているだろうか 私はその峰があなたの顔に重なって見える それはどんなに離れていても見える高さだ あの山ふところが国土をうるおす水のみなも…
〈朝鮮と日本の詩人 27〉福中都生子
2007年04月05日 00:00
「ベトナム戦争は終わった アメリカは逃げていった 赤い解放旗がはためいている」 (「それでもやはり悲しいのは」部分)。
〈朝鮮と日本の詩人 26〉浜田智章
2007年03月15日 00:00
浜田知章という詩人がいる。1920年生まれだから、今年86歳になるが、詩を本格的に書きはじめたのは、1948年に個人誌「山河」を創刊した時であった。51年に「山河」が同人誌になると、ここで長谷川龍生、…
〈朝鮮と日本の詩人 25〉茨木のり子
2007年02月28日 00:00
韓国の老人は いまだに 便所へ行くとき やおら腰をあげて 〈総督府へ行ってくる〉 と言うひとがいるそうな 朝鮮総督府からの呼び出し状がくれば 行かずにすまされなかった時代 やむにやまれぬ事情 それは排…
〈朝鮮と日本の詩人 24〉槙村浩
2007年02月08日 00:00
おお三月一日! 民族の血潮が胸を搏つおれたちのどのひとりが 一九一九年三月一日を忘れようぞ! その日「大韓民族万歳!」の声は全土をゆるがし 踏み躙られた日章旗に代えて 母国の旗は家々の戸ごとに翻った …